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『シュガー・ラッシュ:オンライン』は“ゲーム界”をどう映した? ヴァネロペとラルフの存在が示すプレイヤーの心理

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 アーケードゲームのキャラクターたちが生きる世界を映像化した、ディズニー映画『シュガー・ラッシュ』の続編、『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、その激甘なタイトルとは裏腹に、なんともビターなテイストの、しかし革新的な作品だった。

 前作と同じく、レースゲームのプリンセスであるヴァネロペと、その親友である心優しいゲームの悪役ラルフを主人公にした本作。今回描かれるのは、二人の気持ちのすれ違いだ。新しい世界に憧れるヴァネロペと、古い世界を愛するラルフ。価値観の違いから生まれた二人の友情の亀裂は、ゲームやインターネット世界の存亡の危機にまで発展していく。

 いまゲームの世界では、本作で描かれるように、二つの価値観による葛藤が発生している。オンラインゲームの到来はゲームの世界に何をもたらしたのか? ここでは、『シュガー・ラッシュ:オンライン』が表現した、現在のゲーム界の問題について考えていきたい。

ネットによって生まれた新しいゲーム


 ラルフは、『パックマン』や『ドンキーコング』などと同じ、ドット絵で表現された古い世代のゲームの2Dキャラクターだ。対してヴァネロペは、その下の世代、ポリゴンで構成される3Dキャラクターである。ゲーム表現が、2Dから3Dに移行したことは、革命的な進化だったといえよう。だがさらに、ゲームはインターネットによって、さらなる新しい可能性を獲得した。

 最も大きい変化の一つは、自宅や街中、公園やカフェの中など、ネットさえつながれば、配信される最新ゲームが手に入れられるようになったことだ。その意味で、かつて最新の技術が集まる場であったゲームセンターは、その役割を一部終えているように見える。さらに携帯機種やスマートフォンでのプレイ環境も充実し、ユーザーの選択肢は飛躍的に増えている。

 そのような新しい時代が到来したことで、ゲームセンターのデータという閉じられた空間の中に生きていたヴァネロペもラルフも、本人たちが気づかないうちに、時代から取り残された存在になっていたのだ。

 そんな二人が、インターネットの回線によって、ネット上のあらゆるサービスと触れる冒険をするのが本作の物語だ。動画サイトやオークションサイト、ディズニーのサイトや、広告をクリックしてたどり着く怪しげなサービスなどなど、実際の企業名も続々登場する。

 二人はインターネット世界の規模の大きさや可能性に圧倒されるが、そのなかでヴァネロペが最も魅了されたのが、最新のレースゲーム「スローター・レース」だった。その過激でワイルドな世界は、『グランド・セフト・オート』シリーズなどの大人向けゲームを彷彿とさせる。

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