Roland、BOSS、Electro-Harmonix……VTuberも重宝しそうなボイスチェンジャー4選

Roland Boutique VP-03

Roland ローランド / Boutique VP-03 Vocoder ボコーダー ブティーク

 ローランドからは、もう1台紹介したい。多くのミュージシャンに愛された往年の名シンセサイザーを、最新のモデリング技術によって忠実に再現する「Roland Boutique」シリーズより、ボコーダーの名機「VP-330」を完全再現した「VP-03」だ。

 「VP-330」といえば、アース・ウィンド・アンド・ファイアーやYMOが使用していたボコーダーとしてあまりにも有名。YMOのあの有名な「TOKIO」というフレーズ(「Solid State Survivor」)は、このVP-330で作成したものである。ボコーダーの明瞭さや音の太さにも定評があり、本格的なボコーダー・サウンドが欲しい人はおあつらえ向きだ。

 もちろん「 VP-03」は、そんなヒューマンボイスとストリングス音色も高い再現性を誇り、「EMSEMBLE」スイッチにより、ドライとアンサンブル・エフェクトをボタン一つで切り替えることも可能。独特のコーラス効果を伴うステレオ感は、他のボコーダーでは得られないものだ。

 また、オクターブ・シフトやTUNEツマミ、ベンダーなどを駆使すれば、「VP-330」では出来なかったパフォーマンスも可能。単なる懐古主義ではない、現在進行形のボコーダー・サウンドを作り出せるだろう。

Electro-Harmonix「V256」

electro-harmonix エレクトロハーモニクス ボーカルエフェクター V256 【国内正規品】

 最後に紹介するのは、Yasei Collectiveの斎藤拓郎も愛用する「V256」。ストンプ・タイプ(コンパクト・エフェクター)ながら、ロボットボイスやハーモナイズ、ピッチコレクションなど全てを搭載したボコーダーである。男性の声を女性的に、逆に女性の声を男性的に変換できる「Gender Bender」コントロールや、80年代のボコーダー・サウンドを再現する「8バンド・ボコーダー」、最新のテクノロジーによりスムースなエフェクトを実現した「256バンド・ボコーダー」まで、多彩なサウンドが得られるのが特徴である。

 クラフトワークやYMOのような80年代テクノから、ダフト・パンクやジェイムス・ブレイク、Perfumeまで、新旧さまざまなボコーダー・サウンドを楽しみたい人にオススメである。

 楽曲の世界観をガラッと変える力を持ったボイスチェンジャー(ボイス・トランスフォーマー)。あなたの音楽を彩る「変化球」として、ぜひ1台加えてみてはいかがだろうか。

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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