『テリワンSP』はスマホ移植でどう変わった? 最適化されたUIから残念なポイントまで徹底解説

残念な点も……

 スマホに最適化され遊びやすくなった本作だが、遊んでいて残念な点もいくつかある。その中でも特に気になるのが、“自分のモンスターがあまり見られない”ことと“スタート画面での誤タッチ”だ。

自分のモンスターをもっとじっくり見たい!

 鳥山明デザインのカワイさとカッコよさを併せもったモンスターはDQMの見どころのひとつだが、本作では仲間モンスターの姿をじっくり見る機会が少ない。

 戦闘がはじまるとまず映されるのは、相手のモンスターで、自分のモンスターが画面に出るのは攻撃時と被攻撃時ぐらい。非戦闘時ならステータス画面からモンスターが見られると思いきや、特にそのような機能もない。

 これには「『ポケモン』は戦闘中ずっと自分のモンスターが見られるのになあ……」とボヤきたくなってしまう。

“はじめから”ボタンの誤タッチが怖すぎる

 GBソフトはセーブデータがよく消えた。私事だが筆者は小学生時代にGB版『テリーのワンダーランド』のセーブデータが、最強モンスターダークドレアムにたどりつく数歩前で消えてしまいショックを受けた経験がある。

 スマホに移植された本作なら、データが消える心配はない……はずだったのだが、本作のスタート画面を見てほしい。

 “つづきから”と“はじめから”の間にほとんどスペースがない。そのため“つづきから”を親指で押そうとすると、何回かに1回は間違えて“はじめから”をタッチしてしまう。もちろん“はじめから”をタッチしても、警告メッセージが出るようにはなっているが、はたして通勤電車で無心にアプリを開くときに警告メッセージに気づくだろうか。そのうち間違えてデータを消してしまいそうで、本当に怖い。心配な方はスタート画面からデータ同期を行っておくべきだ。

 もしや、すぐデータが消えるGB版へのオマージュなのだろうか……。

通勤・通学のお供にぴったりなスマホRPG

 ビジュアルの地味さなど、いくつかの難点はあるものの、全体として『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP』は遊びやすく、原作のいい部分をスポイルせずに移植した良作だ。

 スキマ時間にモンスターたちと旅に出てみるのはいかがだろうか。

■脳間 寺院(のうま・じいん)
京都生まれポケモン育ち、ボンクラオタクはだいたい友達。「ゲームをもっと面白く」をモットーに記事を書くゲームライター。Twitterにてゲームにまつわる情報を発信中。
Twitter:@noomagame

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