メンバーの死を乗り越えたEIGHT OF TRIANGLEに見る “バーチャル男性アイドル”の可能性
EIGHT OF TRIANGLE、通称「エイトラ」という男性バーチャルアイドルユニットをご存知だろうか。東映が手がけるこのプロジェクトは、音楽業界において特異な存在である。バーチャルライバーとも一般的なアイドルとも彼らの違う魅力に迫っていく。
エイトラは遠藤和斗(Kazuto)と君島零(Ray)によって結成され、2015年『heart to erode』でデビューを果たした。バーチャルアイドルでありながらメンバーが作詞作曲を担当している。さらにライブにおいてもモーションキャプチャーを用いてダンスや演奏を行うなど生の臨場感を重視。バーチャルであること以外は他のアーティストと変わりなく、新しいアーティスト像を提示してきた。
コンスタントなリリースを重ねていたエイトラだが2017年、喉の治療のためRayが活動休止することを発表した。それでも彼らは3rdアルバム『8 tracks from New York』に参加していた荒賀新音(Neon)をメンバーに迎え入れることで活動を続けていたが今年7月、療養中だったRayが亡くなったことが知らされる。
残されたKazutoとNeonはラジオにて活動を継続すること、さらにミニアルバム『colorful universe』のリリースすることを発表した。エイトラはメンバーの死を乗り越え、今まさに転換期に突入している。
テレビアニメ『戦国BASARA』のオープニングテーマとして発表されたメジャーデビュー曲「誇れ 気高き 美しき、いきざまを」は作詞・Ray、作編曲・Kazutoが務めた楽曲となっている。ハードなギターサウンドに乗るメッセージ性の強い歌詞はRayの最後の言葉として、多くのリスナーの胸に響いたはずだ。