シンカリオン×エヴァンゲリオン、コラボが示した希望ーーロボアニメ23年目の邂逅を読む

シンカリオン×エヴァ、コラボの意味

 重要なのは、今回のコラボ回は新劇場版ではなく、テレビ版のエヴァを下敷きにしているという点だ。というのも、31話の劇中にて思わせぶりに登場したアスカの名前が、エンドクレジットでは「惣流・アスカ・ラングレー」となっていたのである。ハヤトが紛れ込んだのは、新劇場版の第三新東京市ではなく、1995年のあの第三新東京市だったのだ。

 ハヤトは、この”20年前の第三新東京市”で巨大怪物体を迎え撃つ。そこに加勢に現れるのが、500 TYPE EVAに乗った運転士、碇シンジである。シンジはエヴァンゲリオン的な形に変形するシンカリオン「500 TYPE EVA」に乗り込み、ハヤトと協力して巨大怪物体を撃破する。このシンジが、どうにもいい兄貴分だったのだ。

 23年前のエヴァは、不安定な人々が不安定なままで右往左往し、結果的にダメだったり残念だったりする作品だった。その最たる存在がシンジである。元々精神的にも肉体的にも不安定な年齢のキャラクターでもあり、他者を拒絶して引きこもり、コミュニケーションを取らず、ようやく他人と接触したかと思ったら「気持ち悪い」と言われてしまう。それでもなんとか生きていかなくてはいけない。今考えても、キツいキャラとキツいストーリーの合わせ技だなと思う。

 しかし、シンカリオンは小学生目線の物語だ。11歳のハヤトからすれば、不安定なキャラクターだったはずの碇シンジは”お兄さん”なのである。そして、シンジもその目線に応え、率先して戦って巨大怪物体を倒す。「他者に関わり、積極的に困難に挑み、打ち勝つ」という23年前にできなかったことを、同じ第三新東京市で、あのシンジくんがやっている……。23年という年月が経てば、あのどうしようもなかった中学生でも子供の期待に応えて戦うことができる。これは救いなのではないか。

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