e+の音楽フェス専門アプリ「FesPlus」の可能性 音楽市場に「プラス」効果もたらすか?

 数多くのフェスが生まれる中、「FesPlus」を使えば、チケットが取れなかったフェスに出演したアーティストの公演を、別のフェスで鑑賞したり、穴場のフェスを見つけることも容易になるだろう。結果として、ライブ・エンタテインメント市場規模のさらなる拡大に繋がる可能性もあるはずだ。また、今年の6月に「e+(イープラス)」は全国約1000軒のライブハウスのライブスケジュールを集約したWebサイト「LIVEHOUSe+(ライブハウスプラス)」を開設している。両サービスを併用すれば、スケジュールがふと空いた時などに、パッと好みのアーティストのライブを見つけて遊びに行くことも可能だろう。その他にも、ストリーミングサービスなどとの連動で、さまざまなアイデアが考えられる。現在、「FesPlus(フェスプラス)」のプレイリストでは、フェス毎に出演するアーティストの楽曲が30秒ずつ試聴できる仕様になっているのだが、そこで気に入ったアーティストの楽曲をストリーミングサービスで聴くリスナーは決して少なくないはずだ。

 ストリーミングで新しいアーティストと出会い、その演奏を聴きに気軽にフェスに出かけて行き、フェスで知ったアーティストの曲を、ストリーミングで聴き込むーーそうした楽しみ方が広がっていけば、好調なライブ・エンタテインメント市場に牽引される形で、ストリーミングサービスもさらに一般的になる可能性がありそうだ。「FesPlus」は新しいフェスの楽しみ方を提案するだけではなく、音楽シーン全体に「プラス」のシナジー効果を生むアプリかもしれない。

■吉川敦
フリーライター。音楽と言葉が大好物。憧れの人物はアインシュタインとエルキュール・ポアロとアンディ・ウォーホル。

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