ガチャピン、YouTuber界の勢力図を塗り替える“黒船”となるか? ネット向けコンテンツに期待
日本中の誰もが知る国民的人気キャラクターのガチャピンが、2018年7月18日にYouTuberデビューを果たした。
『笑っていいとも!』や『とんねるずのみなさんのおかげでした』など、フジテレビの黄金期を支えてきた長寿番組が終了していく流れの中で、1973年に『ひらけ!ポンキッキ』という名で始まった日本を代表する子ども向け番組『ポンキッキーズ』が、今年の3月25日をもって45年の歴史に幕を下ろした。初回から番組を支えてきたガチャピンとムックの誕生日である4月2日に、ガチャピンは自身のTwitterで、「ぼくがTwitterでつぶやくのは、今日が最後なんだ。みんな、今までどうもありがとう。本当にありがとう。また、どこかで会おうね。絶対に会おうね。」と廊下の遠くにいる2ショット画像と共に投稿している。
ムックもFacebookで「きっとどこかで会えると信じています!これまで、応援ありがとうございました~。わたくしたちは、これからも前に進み続けますぞ~!」と最後のメッセージ残し、まるでアイドルがグループを卒業してアカウントを消すように、SNSだけでなく、大人気ブログ「ガチャピン日記」までも完全に閉じる。そんな2人の去就が懸念される中、7月18日にフジテレビは、ガチャピンが多くの有名YouTuberを抱えるUUUM株式会社とYouTuber活動に関するマネジメント契約を結んだことを発表。YouTubeチャンネル『ガチャピンちゃんねる【公式】』を開設した。
ガチャピンは、「おもしろいお仕事ないかなぁ~っていったら、ムックから“ユーチューバーがいま子どもたちに一番人気のお仕事ですぞっ”て聞いたので、なんかおもしろそーって思って、UUUMのめんせつにおうぼしました。」と、YouTubeチャンネル開設の理由を語っている。
最初に投稿された「希望報酬は1本立つくらい?どーしたガチャピン」では、UUUMで履歴書を見ながら、ガチャピンのスペックや、YouTuber志望の動機などを明らかにする面接動画。「希望報酬は1本立つくらい」と、さすがキャラクター界の大御所ならではの金額を要求するなど、地上波では見せない腹黒い一面を見せて笑いを誘った。
現段階で投稿されている動画は、初自撮りに挑戦、折り紙、スライム作りなど、YouTuber初心者らしいネタから始めたガチャピン。芸歴45年の5歳児という、テレビ業界を知り尽くしている若きベテランなだけに、郷に入れば郷に従えという考えなのだろう。
ただやはり、ガチャピンに期待したいのは、高い運動能力の活かしたネタだ。かつて、スキージャンプやロッククライミング、ヒマラヤ登頂、あの水分を吸収しやすそうな体でのスキューバーダイビング、そしてソユーズに乗っての宇宙遊泳など、どんな過酷な状況でも「楽しいなー」と平気な顔でこなしてしまう運動能力と冒険心の高さがあり、しかも腕前がプロ級なのがガチャピンがリスペクトされる由縁だ。今まで世界中のYouTuberたちがGoProを駆使し、危険を顧みず様々なことに挑戦してきたが、ガチャピンがやってきた幅の広さには追いつくことは難しいだろう。むしろYouTuberが目指してきたものはガチャピンの仕事なのかもしれない。今はまだその能力を温存しているが、テレビよりも自由に表現できるYouTubeの世界は、ガチャピンにピッタリではないだろうか。