映写機のない上映システム「LEDシネマスクリーン」 スピルバーグ監督らから批判も
全米の劇場所有者によって構成されたアメリカの組織National Association of Theatre Owners(NATO)のトップであるジョン・フィシアンは、シネマコンで24日、「いま非常に興味深い議論」とLEDスクリーンの話題性に触れながら、「多くのスタジオは、LEDが、スライスされたパン以来の最高のものだと思っている」とコメント。一方で、「映写はキープしておくべきだ。ただのテレビになってしまう方向に進んではいけない」といった批判の声が、スティーヴン・スピルバーグやクリストファー・ノーランといった映画監督たちから上がっていることも明かしたが、皮肉なことに、アメリカ初のLEDシネマスクリーン上映作品となったのは、スピルバーグ監督の最新作『レディ・プレイヤー1』だった。【参考:Spielberg, Nolan Among Directors Who Have Serious Concerns About LED Screens in Movie Theaters】
サムスンは、少なくとも年内に30までLEDシネマスクリーンを増やす予定だという。ソニー・エレクトロニクスも同じくこのシネマコンで、クリスタルLEDシネマスクリーンのプレビューを行っており、今年末までに最初のLEDシネマスクリーンの設置を目指したい意向を示している。
賛否渦巻くLEDシネマスクリーンだが、まずは日本での導入を心待ちにしたいものだ。
(文=宮川翔)