乃木坂46生駒里奈・卒業コンサート、熱狂のライブビューイングーー「新宿バルト9」からレポート
4月22日に日本武道館で開催された『乃木坂46 生駒里奈 卒業コンサート』が、グループ史上初のライブビューイングとして、全国128の映画館で上映された。
22日付の日刊スポーツによれば、武道館のチケット当選倍率は異例の30倍。ライブビューイングも6万席が完売した。現場の盛り上がりや感動は伝えられているが、映画館ではどのような光景が繰り広げられていたのか。
新宿のバルト9では、本コンサートのため2つのスクリーンが用意され、800人以上の人出があったようだ。同劇場で鑑賞したライターの渡辺彰浩氏は、「AKB48グループのライブビューイングは何度も観ているが、まずは客層の違いを感じた」という。
「上映前からすごい熱気で、大学生くらいの若いファンが多く、また女性の姿も多く見られました。正確な割合はわかりませんが、自分の席の両隣も女性だったくらいで、3割ほどはいたのではないでしょうか。また、多くの人がサイリウムを持っていて、コールもかかり、普通にコンサートを観ているテンションだったのも印象的です。後ろから3〜4列目はほとんどオールスタンディング、前の方の席でも、立って応援するファンの姿が見られました。これは、AKB48グループでのライブビューイングでは記憶にない光景です」
コンサートの前半で、生駒のセンター曲「Against」と、最新シングルの表題曲「シンクロニシティ」が立て続けに披露された場面では、イントロがかかった瞬間に映画館も拍手に包まれたという。
「まさに武道館と映画館が“共鳴”しているような感覚でしたね。ファンにはおなじみですが、『おいでシャンプー』という楽曲のDメロでの間奏に<ナカダカナシカ>という中田花奈本人の公認コールがあり、そのタイミングでカメラがきちんと、中田を捉えていたのも印象的です。カメラやスイッチングもきちんとツボを押さえていて、笑いも起こる。そうしたところも、変に客観的にならず、コンサートに没入することができた要因だと思います」
また、主役の生駒からも、ライブビューイングを意識するMCがあった。
「ネット配信の『乃木坂46時間TV』あたりから、松村沙友理が秋田出身の生駒をいじる、というのがネタになっていて、今回のMCでも同じようにいじっていたのですが、そこで生駒は『秋田でもライブビューイングされているんだから!』と一言。これにはライブビューイングで観ているファンも喜んでいましたし、秋田の映画館は大盛り上がりだったことでしょう。一糸乱れないパフォーマンスではなく、いつもメンバーがわちゃわちゃとファンを楽しませてくれる『ハウス!』では、全体をぼんやりと見たり、推しを目で追いかけたりするのではなく、個々のメンバーにしっかり寄ったカメラワークで、映像としての楽しみも感じました。ライブ感があり、映像ならではの魅力もある、新しいコンサートの楽しみ方が生まれています」