大阪の「ゲームバー」が警告を受け一斉閉店ーー問題点をコンピュータソフトウェア著作権協会に聞く

 大阪府にある「ゲームバー」3店舗が、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の警告を受けたことを理由に閉店することが明らかになった。閉店するのは「ゲームバー1UP」「ゲームバーカティーナ」「ゲームバーClan」の3店舗で、いずれも運営会社はクロノス。4月9日付のITmediaなどが報じている。

 「ゲームバー」とは名前の通り飲食をしながらゲームが楽しめる、というコンセプトの店舗で、東京・大阪など都市部を中心に人気を博している。しかし、メーカーからの許諾を得ないままゲームを客に貸し出し、集客に利用していると見られるケースも多いのが現状だ。今回、クロノス運営の3店舗は、どのような問題で警告を受けたのか。あらためてACCSの広報担当者に聞いてみた。

 「詳細はお話しできませんが、ゲーム作品の『上映権侵害』について、警告を出しました。お客様にゲームをプレイさせることによる金銭の受け渡しや、集客への利用があったかどうかは関係なく、ゲームメーカーの許諾を得ず、店舗内のモニターに表示させて遊ばせる行為は、著作権侵害に当たります。eスポーツの盛り上がりもあり、今回の件に注目が集まった部分があると思いますが、以前から同様の調査・指摘は続けてきました」

 今回の3店舗は任天堂のゲームを無許可で提供していたことが報じられているが、同社からの要請はあったのか。

 「具体的な経緯についてはお話しできませんが、これまでもACCS会員のゲームソフトウェアメーカーさんと相談しながら、対応を行っています」

 また、警告を無視して営業を続けた場合、どのように対処するのかとたずねると、「一概にはなんとも言えない」とした上で、刑事、民事それぞれの訴訟手続きを行う場合もあり得るとのことだった。具体的な件数は明かされなかったが、今回の店舗以外にも、改善の要請を出している店舗は複数あるとのこと。3店舗は入居しているビルの契約期間満了となる今年7月29日までは、業態を変えて営業するようだ。同じく警告が出されている店舗がどのような反応を示すか、「ゲームバー」という業界に変革の波が訪れていると言えるかもしれない。

(文=平沢花彩)

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