バンドマンがYouTuberを名乗るメリットは? グッドモーニングアメリカ たなしんの場合
“CDが売れない”と言われて久しい音楽業界。各アーティストがプロモーションを工夫しながら活動を続けている。2001年結成、13年にメジャーデビューを果たしたバンド・グッドモーニングアメリカもその1組だ。ベース・コーラスのたなしんが今年1月からYouTuberとして活動を開始。“バンドマンがYouTuberになる”ことには、どのような意義があるのだろうか。
リスナーとの距離の近さ、ユーモア溢れるキャラ、ハイテンションが魅力のたなしん。そのため彼がYouTuberになるというのはどこか納得できる一方、突飛な印象もあった。しかし動画では彼の人間性や音楽への情熱が溢れ出ており、楽曲やライブでは捉えきれない、パーソナルな部分が表現されている。
グッドモーニングアメリカはこれまで共演してきたバンドの楽曲を厳選したコンピレーションアルバム『あっ、いい音楽ここにあります。』シリーズのリリースや、自主企画『あっ、良いライブここにあります。』の開催など、バンドマン同士のつながりを大事に活動している。そのつながりを活かした動画が「弾いてみたを本人に見せてみた」シリーズ。これまでLAMP IN TERRENをはじめ、ASPARAGUS、Dizzy Sunfist、GOOD ON THE REEL、THE BOYS&GIRLSが出演しており、たなしんのベースプレイを本人たちに評価してもらうという内容だ。
さらに、ベースを弾くだけだけに収まらず、バンド名や歌詞にちなんだネタを動画に挟んでいる。THE BOYS&GIRLSの「一炊の夢」では、曲の後半で女装したたなしん=たな姉が登場。手の込んだ編集とネタで相手への敬意と愛を伝えている。
そしてきわめつけは3月31日にアップされた「本人達と弾いてみた」。これはSIX LOUNGE「メリールー」をたなしんが本人たちとセッションした模様が収められた動画で、純粋に楽しんで演奏しているたなしんとSIX LOUNGEのメンバーが印象的だ。動画タイトルには【初】と書かれているため、今後シリーズ化にも期待が高まる。また、動画の詳細情報の欄には出演したバンドのMVやリリース、ツアー情報、公式HPのリンクが細かに掲載されており、ここにもたなしんの人柄が表れている。
他にも、「バンドマンの日常ってどうなのよ!?」、「大型ロックフェスの裏側見せます」、「出演者目線で1日ドキュメント」といった通常リスナーが目にすることのできない裏側を撮影した動画を投稿。リハーサルや楽屋での姿から打ち上げ会場にまでカメラが潜入し、たなしんのリポートとともにバンドマンの普段見ることのできない姿が楽しめる。