Perfumeが『Reframe』公演で示した、新しいライブパフォーマンスのあり方

Perfumeが『Reframe』公演で示した、新しいライブパフォーマンスのあり方

 「こういうライブもありじゃろ?ウチらもだいぶ大人になったけぇ」ーーライブ終了後に、あ〜ちゃんがファンにかけた言葉だ。その言葉通り、3月20日、21日に開催されたライブイベント『This is NIPPON プレミアムシアター「Perfume × TECHNOLOGY」presents “Reframe”』は、Perfumeがこれまでに行ってきたライブとは一線を画すものだった。

 同イベントは昨年12月21日にNHK総合で放送された番組『Perfume × TECHNOLOGY 2017』と関連して実施されたもの。ライブのインタラクションデザインを手がけたのは、真鍋大度、齋藤精一率いるRhizomatiks。また、演出振付家のMIKIKOが振り付けと演出を担当した。

 会場である東京・NHKホールに駆けつけた3,000名のファンは、技巧を凝らしたパフォーマンスに息を飲んだ。観る者を圧倒する演出への賞賛は、歓声ではなく、鳴り止まない拍手。次々に登場する最新鋭のテクノロジーに圧倒され、引き込まれた。

 “新たな挑戦”とも言うべき圧巻のステージは、NHKのオフィシャルサイトやYouTube、Twitter、facebookで生配信され、会場を飛び越え世界中の人々を魅了した。本記事では21日の様子をレポートする。

「Reframe」されたライブをファンはどう捉えた?

 開催前にあ〜ちゃんが「今までの私たちのライブでは見たことないような大きな演出をやろうと思っています」と語っていたように、今回のライブは最新テクノロジーを駆使した新たなエンターテイメントの可能性を示すものであった。

 公演が始まると、ステージ上に設置された白壁にプロジェクションマッピングが映し出され、サウンドアーティスト・evalaが制作したエレクトロニカ「Recollect」が流れる。

 すると突然、白壁の中央に当日の日付「2018/03/21」が投影され、時間を巻き戻すかのように「2005/09/21」でストップ。この日は、Perfumeのメジャーデビューシングル『リニアモーターガール』が発売された日だ。

 ここから、彼女たちが過去に発表したすべてのミュージックビデオのワンシーンが、時系列でカットアップされる。イベント名の『Reframe』は「枠を作り直す」「再構築」という意味だが、この瞬間に私たちはその意味を理解することになった。

 今から目にするものは、従来私たちが楽しんできた「ライブ」とは異なるのである。Perfumeというアーティストはもちろん、これまでのライブの形も、楽曲も、文字通り「Reframe」されるのだ。

 「ステージ上でライブが繰り広げられている」というより、インスタレーションを見ている感覚に近い。デジタル技術を駆使した“アート作品”の中で、彼女たちはひときわ存在感を放っていた。爆音で流れる音楽、そして未体験の「ライブ」が始まるという期待感が会場中を一つにしていると、肌で感じる。

 近年、Perfumeのライブはテクノロジーを用いたダイナミックな演出が見せ場になっていた。ステージ上にドローンが舞うなど、最新鋭のテクノロジーを駆使したパフォーマンスに引き込まれた人も多いはずだ。

 昨年11月に行われた、NTTドコモの通信テクノロジーを活用し、これまでにない臨場感や新体験を伴うエンターテインメントの提供に挑戦するプロジェクト『FUTURE-EXPERIMENT VOL.01 docomo×Perfume 距離をなくせ。』を覚えているだろうか。

 かしゆかはロンドン、あ〜ちゃんは東京、のっちはニューヨーク、と距離を大きく隔てた場所で「FUSION」を踊ってみせた。お互いの存在が見えない状況下で一糸乱れぬダンスを披露した背景には、血の滲むような努力があったことだろう。

 そこに2020年の普及をめざす5G回線とNTTドコモが開発した低遅延メディア同期技術・Advanced MMTがかけ合わさり、アーティスト・Perfumeの可能性を広げた。私たち人間の限界を超えたパフォーマンスは、テクノロジーがエンターテイメントの可能性を広げていくことの示唆であったようにも思える。

 また、昨年の『第68回NHK紅白歌合戦』も記憶に新しいのではないだろうか。Perfumeはビルの屋上にあるヘリポートでパフォーマンスを行い、渋谷中のビルからサーチライトのような光が伸びていく様子をあらゆる角度、距離から撮影しているように、視点が次々と切り替わった。

 あまりに高度な技術が、あたかも当然のように、自然に用いられていたために、「一体何がすごかったのか?」と戸惑った人も多いことだろう。「どんな技術が使われていたのか?」を公演中に理解するのは容易ではなかったはずだ。

 今回のライブタイトルは『Perfume × TECHNOLOGY』ーー。つまり、これまでのようにテクノロジーを駆使したライブなのではなく、テクノロジーに特化したライブなのである。会場に詰めかけたファンたちが声を発することができなかったのは、始めからおしまいまで情報量が多く、「一瞬たりとも見逃すまい」という姿勢になったからだ。

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