ゴールデンボンバー、でんぱ組.inc、矢口真里……相次ぐ芸能人のeスポーツ参戦の背景

 一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が2月に設立され、国内でもeスポーツに関心が集まる中、芸能事務所からの参入が目立っている。

 1月には、芸能事務所対抗のeスポーツ大会「eスポーツ スターリーグ」がビッグサイトにて行われ、ユークリッドグループに所属するゴールデンボンバーの歌広場淳ほか、松竹芸能からアメリカザリガニ、アップフロントから矢口真里、グラチアから倉持由香らが出場し、大きな注目を集めた。

 吉本興業は、3月7日にesports事業「よしもとゲーミング」を始動することを発表。プロチームの運営、配信事業、イベント事業の3つを軸にeスポーツ事業を展開するとして、吉本所属芸人のジョビン、西澤祐太朗(裏切りマンキーコング)、小池龍馬(マケレレ)の3名とプロゲーマー契約を結んだ。

 芸能人女性タレントによる対戦型ゲームのPRプロジェクト「芸能人女子eスポーツクイーン決定戦EQ League」は、4月からプレリーグ戦を開始。X21(オスカープロモーション)、teamSMQ(サンミュージックプロダクション)、DS☆ゲーム部(ディアステージ)、Shochiku Sisters(松竹芸能)、東宝ガールズ(東宝芸能)、BlueWeeds(blueskywalkers/N-weed)、ホリッち(ホリプロ)の7チームが参戦する予定だ。でんぱ組.incの古川未鈴やAKB48の元メンバーである石田晴香らが出場することでも話題となっている。

 ゲーム市場やモバイル市場のマーケティングを行うNewzoo社の調べによると、eスポーツの世界的な市場規模は2018年に前年比38%増の970億円規模になり、2020年には1,700億円を超える市場に成長すると予測されている。eスポーツ市場の拡大が期待される中、芸能事務所によるeスポーツ参入にはどのような可能性があるのか。

 ひとつは、eスポーツの認知度の拡大につながるということだろう。国内でeスポーツを発展させる上で、まずは多くの人々の関心を集めることが重要なのは言うまでもなく、その意味ですでに知名度を獲得しているタレントを起用するのは有効だ。タレント自身も、そうした意識から参加しているケースが多く、「EQ League」などはまさに認知度の拡大を目的とした大会といえる。

 配信やイベントといったeスポーツのインフラを発展させる上でも、芸能事務所の持つ事業プラットフォームはそのまま活用できる。吉本興業は、エンタテインメントに関わる企画、制作、イベント、配信、PRなどを全般的に行ってきた。eスポーツをビジネスとして成立させる上で、これらのノウハウは必要不可欠である。実際、国内最大規模のeスポーツイベント「RAGE」は、CyberZがエイベックスと協業し、エイベックスのイベント制作・マーチャンダイズ事業のノウハウを活かすことで、大きな成長を遂げてきた。

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