友川カズキの日常から見える純粋で強い生き様 ドキュメンタリー映画から伝わる“人としての魅力”
私事ではあるが、筆者が世界一のフォークシンガーだと信じて疑わない人物が友川カズキ氏である。その友川氏の、ある夏の日常を記録したド…
50年、秋田で生まれた友川かずきは、勉強嫌いで文学に無縁だったある時、中原中也の詩「骨」に衝撃を受け、創作活動を始めたという。上京後、職を転々とするかたわら、URCレコードでのアルバイトを通し、あがた森魚と知り合い、中津川フォーク・ジャンボリーに参加。その後、故郷に一度帰るも再び上京、そこで恩人・宇崎竜童と出会う。彼の尽力によりシングル「上京の状況」や「生きてるって言ってみろ/人生劇場裏通り」をリリース、これを機に頭脳警察や寺山修二とも親交を深めた。また、石塚俊明(dr)と古家恭子(p&key)を主軸に据えた「ピップエレキバンド」での活動も有名である。友川の楽曲のどれもが、彼自身の声によって強烈なまでのインパクトを放っており、秋田なまりでアクの強い韻の響きにヴィブラードが組み合わさり、多くの人が「ゾクッ」とさせられることだろう。しかし、そのあまりに生々しく感じとれる一面も、彼の歌声を支えるバックトラックを一聴すれば、同時に洗練された感覚にも気づくはず。『3年B組金八先生』で使用された「トドを殺すな」でお茶の間にセンセーショナルを起こしたというのも、友川かずきを象徴する出来事だ。また、この他に画家や作家としての活動や、外波山文明主宰の劇団『はみだし劇場』に関わるなど、多方面でその創作意欲は発揮されている。
私事ではあるが、筆者が世界一のフォークシンガーだと信じて疑わない人物が友川カズキ氏である。その友川氏の、ある夏の日常を記録したド…