コン・ユ、キム・ゴウンよ永遠なれ! 『トッケビ』10周年特番にみる愛されるドラマの在り方

『トッケビ』から読む愛されるドラマの在り方

 時空を超えた切ない運命の恋を描いたファンタジーラブロマンス『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』(2016年)が全世界で社会現象を巻き起こしてからはや10年。放送10周年を記念した特別番組『トッケビ10周年旅行~一緒にいるから輝く時間~』(2026年)が4日間にわたり、放送・配信された。

 本作で“トッケビ”となり、900年以上生き続ける高麗時代の英雄キム・シンを演じた主演のコン・ユ、トッケビの花嫁である女子高生チ・ウンタク役のキム・ゴウン、記憶喪失で自分の名前も過去も不明の死神役のイ・ドンウク、ウンタクのアルバイト先のチキン店社長サニー役のユ・インナという、メインキャスト4人が再集結した。

 ドラマをあらためて紹介すると、高麗時代の武臣キム・シンは、若き王ワン・ヨの嫉妬で逆賊として命を落とすも、神の力でトッケビとなり蘇る。しかし、罰の象徴となる剣が胸に刺さったままの状態でもあり(まわりには剣が見えない)、その剣を胸から抜かないと安らかな眠りにつくことができない。無に帰するため、その剣が見えるうえ剣を抜くことができる唯一無二のトッケビの花嫁を世界中で探し続けるなか、ウンタクや死神、サニーたちと出会い、数奇な運命が動き出すというストーリーだ。

 900年以上生きているシンは、939歳でやっと運命の花嫁と出会うのだが、長い間をかけて不動産を所有するなどして現代ではユ・シンジェの名でチョヌ財閥を率いている大金持ち。前世で縁のあった人たちや、現世で良き行いや心からの願いをした人たちに富や幸運を与える(その反対に悪しき者は制裁する)。サニーのチキン店はシンが通うようになってから繁盛し、店舗がどんどん大きくなっていく様子が描かれていた。

 本作は、高麗時代と現代のつながりや伝説上のトッケビ(精霊や妖怪、鬼やゴブリンともいわれる)を主人公に据えていることからファンタジー要素があり、未見の人によってはとっつきにくい印象があるかもしれないが、それはもったいない。それぞれの人物描写や関係性、巧みなストーリー展開、時折ある見事なCGやカナダロケといった映像の壮麗さになどにもよって、一度観るとトッケビの世界にどんどん惹き込まれていく、見どころだらけの名作だからだ。

 それは実力のあるキャストが揃っていることはもちろん、コン・ユに5年間出演オファーをし続けてきたキム・ウンスク作家とイ・ウンボク監督のタッグによるところも大きい。ケーブルドラマ史上歴代最高の瞬間視聴率22.1%を記録し、コン・ユは第53回百想芸術大賞のTVドラマ部門で最優秀演技賞を、キム・ウンスクは大賞を受賞するなど数々の受賞に輝いたことからも、本作がいかに人々から支持されたのかがわかるだろう。

(左から)キム・ゴウン、コン・ユ

 そんな『トッケビ』のメインキャスト4人が、思い出の地へ旅に出る『トッケビ10周年旅行~一緒にいるから輝く時間~』。ドラマでウンタクが思いがけずトッケビを初召喚した韓国・江原道(カンウォンド)の人気観光都市・江陵(カンヌン)にある注文津(チュムンジン)防波堤から旅が始まる。

 十年来の付き合いが信頼に基づいていることは映像からも見てとれるし、キム・ゴウンがこの旅を発案したことからも、『トッケビ』の共演者という枠を超え、今も強い絆で結ばれている彼らの姿がそこにあった。キャスト同士でいるときの自然体の様子は貴重で、ドラマのシーンを自らが再現し照れる姿も微笑ましい。

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