サンライズ×シャフト『フールナイト』で話題 スタジオ“合作”を支えてきたクリエイターたち

複数のアニメスタジオが一つの作品に参加する事例はよくある
「合作」ということでは、老舗のマッドハウスと新鋭のMAPPAが名前を連ねたTVアニメ『takt op.Destiny』のようなケースもある。いずれも名プロデューサーの丸山正雄が立ち上げた会社だが、同じグループというわけではない。それが、『takt op.』というメディアミックスプロジェクトが立ち上がる中で、アニメ制作をMAPPAが引き受けることになり、大変そうな企画だったことから人脈を通してマッドハウスに声をかけ、両雄が並び立つかたちとなった。
マッドハウス所属の長澤礼子がキャラクターデザインを担当し、現場を持ったエピソードでは総作画監督も務めた。一方、MAPPAも半分のエピソードを制作し、美術、色彩設計、3Dなども担当した。各話で競い合いつつ、核となる部分でお互いの強みを出し合うかたちは、現場を混乱させずに作品を仕上げる上でベターな「合作」の形と言えそう。TVシリーズなどで、元請けの制作会社が外のアニメスタジオに各話の制作を任せたような、往年のアニメ制作スタイルを思い出させるところもある。
とはいえ、『SHIROBAKO』のP.A.WORKSが、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』で少なくない話数の制作を担当していても、「合作」とは言わないところに、アニメ制作におけるクレジットの複雑さがある。I.G自体も『新世紀エヴァンゲリオン』の第拾参話「使徒、侵入」で作画を担当しており、看板アニメーターの黄瀬和哉が作画監督を務めているが、「合作」ということにはなっていない。
その『エヴァ』は、『超時空要塞マクロス』と共にタツノコプロが制作会社になっているが、実際の制作現場はGAINAXなど別のところにあった。それでも、資金調達なり放送等の出口の確保という意味で、タツノコプロは作品の成り立ちに多少なりとも関わっている。「合作」の意味と成果を探る際には、ケース・バイ・ケースで見ていく必要がありそうだ。
海外スタジオとの合作
最近では、グローバルに日本のアニメが出ていく上で、海外のアニメスタジオとの「合作」も増えている。いましろたかしの漫画を原作に、ロトスコープの技法でアニメにした映画『化け猫あんずちゃん』が、老舗のシンエイ動画とフランスのMiyu Productionsとの「合作」だった。欧州に強いネットワークを持つMiyuと組んだことで、海外のマーケットを狙える作品になった。
『化け猫あんずちゃん』の場合はまた、Miyu側で背景美術と色彩設計を担当し、Miyuの他の作品にも携わっているJulien De Manを美術監督に迎えたことで、日本人の感性からはなかなか生まれてこない明るめで絵画のような背景になった。四宮義俊監督の『花緑青が明ける日』にもMiyuは参加しており、日本画家の感性で描かれた画面に異質な感じをもたらすストップモーション・アニメーションのシーンを手がけ、キッチュな味を加えた。
グローバルでの資金調達に、グローバルな才能の交流も得られ、グローバルな展開も期待できる海外との「合作」が、以前からひんぱんに行われてきた短編アニメーションに限らず、商業の長編アニメーションでも進み、新しい波を起こすような未来も期待できそうだ。
■配信情報
アニメ『フールナイト』
Netflixにて、2026年世界独占配信
キャスト:内山昂輝(神谷トーシロー役)、寿美菜子(蓬莱ヨミコ役)
原作:安田佳澄『フールナイト』(小学館『ビッグコミックスペリオール』連載)
監督:湯川敦之
シリーズ構成:田中仁
キャラクターデザイン:ロバート佐藤
副監督:志村亮
ビジュアルデベロップメント:菊地涼
美術監督:髙野真希(J.C.STAFF)
色彩設計:日比野仁
撮影監督:石川万成(アニモキャラメル)、德田千明(テラエフェクト)、会津孝幸(シャフト)
CGディレクター:山本直輝、平野潤也
編集:松原理恵(瀬山編集室)
音響監督:鶴岡陽太
音楽:加藤達也
アニメーション制作:サンライズ×シャフト
©安田佳澄/小学館/「フールナイト」製作委員会
公式サイト:https://www.foolnight.com/
公式X(旧Twitter):https://x.com/foolnight_anime





















