岩谷健司、岡部たかしに続く“遅咲きブレイク”へ 『銀河の一票』で放つ頼もしい存在感

『銀河の一票』“ガラさん”岩谷健司の魅力

 そして岩谷らしい個性のある役でお茶の間に認識されたのが、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(2025年後期)の森山善太郎役ではなかったか。コワモテで松野家に借金取りにやって来て、トキ(髙石あかり)を女郎屋に売れなどと迫る憎まれ役だ。けれど何だかんだ、松野家に甘い面もあって、序盤だけの登場ながら視聴者の印象に残った。

 それに続くのが『銀河の一票』で、連ドラでここまでメインクラスの役柄を演じるのは初めてかもしれない。

 だが長い下積み生活に裏打ちされた安定感と存在感が五十嵐役にはある。上等のスーツを着れば大物政治家の秘書らしく貫禄があるし、ポロシャツとジャージを着てサンダルに履き替えれば、エリートから脱落した庶民のオジサンに見える。後者になってからが、また魅力的だ。生活困窮者たちの困りごとに、行政書士の知識を動員して、テキパキと適切な解決策を与えていく。どこか、医療ではないけれど生活面での“赤ひげ”のような役柄に、その風貌がぴったり来るのだ。

 立ち上がったときに、年齢相応にちょっと出たお腹がシルエットでわかるが、そのたたずまい自体が庶民派の頼れる兄貴といったおもむきで、岩谷自身もそういう人物なのではないかと想像させる。

 茉莉を「お嬢」と呼び、ズケズケと物を言えるが、茉莉の方も負けてはおらず、ふたりのテンポのいいやり取りも見どころの一つだ。第7話からはついに選挙戦が始まり、星野が推す日山流星(松下洸平)陣営の裏側を探る五十嵐の暗躍はますます目立ってきそうだ。“ガラさん”は岩谷のはまり役にして当たり役になるだろう。

 ちなみにご存じの方も多いと思うが、岩谷は一足先にブレイクした岡部たかしと仲が良く、ユニットを組んで公演もしている。岡部がブレイクしたのは2022年の『エルピス─希望、あるいは災い─』(カンテレ・フジテレビ系)だったが、『銀河の一票』も同局の制作で、同じ佐野亜裕美のプロデュース。カンテレはこうした実力者の起用が上手だと思う。

 年齢以上に貫禄があって見える岩谷は、若々しい風貌の岡部とは個性が異なるが、今後も上司役や父親役などで良い味を出してくれそうだ。50代半ばになって陽が当たった熟年の星として、同世代の筆者も応援したくなるし、今一番取材してみたい俳優の一人だ。

■放送情報
『銀河の一票』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~放送
出演:黒木華、野呂佳代、三浦透子、渡邊圭祐、倉悠貴、小雪、本上まなみ、シシド・カフカ、岩谷健司、山口馬木也、木野花、岩松了、坂東彌十郎、松下洸平ほか
脚本:蛭田直美
演出:松本佳奈、藤澤浩和、瀧悠輔、稲留武
プロデュース:佐野亜裕美(カンテレ)
制作プロデュース:植木さくら、森田美桜
音楽:坂東祐大
主題歌:浜野謙太(在日ファンク)&後藤真希 feat. 黒木華&野呂佳代「おーへい」(日本コロムビア)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:カンテレ、MYRIAGON STUDIO
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/ginganoippyou/
公式X(旧Twitter):https://x.com/gingaippyou
公式Instagram:https://www.instagram.com/gingaippyou/
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