興収で読む北米映画トレンド
『Michael/マイケル』、『プラダを着た悪魔2』破り北米No.1返り咲き 次世代ホラー注目作も

マイケル・ジャクソンの伝記映画『Michael/マイケル』が、再び北米映画市場の主役に返り咲いた。2週連続No.1の『プラダを着た悪魔2』を抑え、公開4週目にして週末ランキングの首位を奪還したのだ。
5月15日~17日の週末興行収入は2612万ドルで、前週比マイナス31.1%と変わらぬ堅調ぶり。グローバル市場でも週末興行のトップを独走し、北米・世界の両方でランキング首位を獲得するのは2度目となった。全世界興行収入は7億ドルを突破しており、今年公開作品としては『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』に続き2本目の快挙だ。

『Michael/マイケル』の返り咲きを支えたのが、IMAXを含むプレミアムラージフォーマット上映だ。『モータルコンバット/ネクストラウンド』や『トップガン』40周年記念上映とスクリーンを分け合うなか、週末だけで北米200万ドル、世界520万ドルを記録。IMAX上映の世界興収は累計6040万ドルに達している。
海外市場では韓国にて劇場公開を迎え、週末ランキングでNo.1を獲得。音楽伝記映画として韓国史上最高のオープニングを記録したほか、観客の反応も良好だという。
日本では6月12日公開予定。マイケル人気が高く、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009年)が大ヒットした前例もあるだけに、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)の世界興収9億1102万ドルを超えられるかを占ううえでも日本は注目の市場となる。

なお、公開3週目で首位を譲った『プラダを着た悪魔2』は週末興収1800万ドルで、前週比56.7%減。作品としては変わらぬヒットを維持しており、世界興収は5億ドルを突破した。第4位『モータルコンバット/ネクストラウンド』は週末興収1340万ドルで、前週比マイナス65.2%と大幅減。世界興収1億ドルは超えたものの、ファン層以上の広がりが見えていない状況だ。
今週最大の注目は、第3位に初登場したブラムハウス製作のホラー映画『Obsession(原題)』。“ひとつだけ願いを叶えられる”という魔法の道具を手にした青年ベアが、長年片思いをしてきた友人ニッキーに愛されたいと願ったことから、恐ろしい事態に巻き込まれていく。
北米2615館で公開され、週末興収は1610万ドル。事前予想の最低値は800万ドル、高くとも1200万ドルとみられていたため、期待以上のスマッシュヒットとなった。
Rotten Tomatoesでは批評家スコア・観客スコアともに94%という高水準。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでも「A-」を獲得しており、賛否が分かれやすいホラージャンルとしてはきわめて高い評価を得ている。今後の口コミ効果にも期待できそうだ。
監督は弱冠26歳の新鋭カリー・バーカー。コメディYouTuberとして人気を築いたのち、2024年には製作費800ドルのホラー映画『Milk & Serial(原題)』をYouTubeで無料公開して大きなバズを巻き起こした。次回作として、A24製作『悪魔のいけにえ』シリーズの新作映画を手がけることも決定している、まさに新世代の鬼才ホラー監督だ。
YouTuber出身監督の商業デビュー作とあって、SNS上での注目度も高かった。調査会社RelishMixによると、監督・出演者・公式アカウントなどを含むSNSの関連フォロワー規模は1億人以上で、公開前からポジティブな反応が広がっていたという。
日本公開は未定。ホラー映画のトレンドを占う一作としても要注目の一本とあって、ぜひ劇場公開に期待したい。






















