和泉風花「自分の気持ちをそのまま声にする」 “泣きながら帰った”逆境から掴んだヒロイン役

藤巻忠俊(集英社ジャンプコミックス刊)による人気漫画を原作としたTVアニメ『キルアオ』で、和泉風花がヒロインの蜜岡ノレンを演じる。「泣きながら帰った」と語るオーディション秘話から、フランクながらも芯の強さを持つノレンの役作り、「0か100か」というこだわりぶりが似ているという和泉自身とノレンの共通点などを明かした。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「ダメだと思っていたオーディションも受かることがある」

——最近はいろいろなアニメで和泉さんのお名前がクレジットに載る機会がすごく増えたなと思います。
和泉風花(以下、和泉):ありがとうございます……!
——今回、『週刊少年ジャンプ』作品のヒロインを演じることになりましたが、役が決定したときの心境はいかがでしたか?
和泉:めちゃめちゃ嬉しかったです。でも正直、驚きのほうが大きくて。テープオーディションに合格して、実際に制作陣の皆様の前で演じるオーディションに進めたのですが、そのときは気合が入りすぎてしまって……。やれることは全部やり切ろうと思っていたのですが、自己判断では全然ダメだったと思い、「もうこれはチャンス掴みきれなかったな」と、オーディションの帰りに初めて泣きそうになりながら帰っていました。今までそんなことはなかったのですが、それくらい後悔が残る内容だったので、「これに落ちたら次に切り替えて進もう」と思っていたくらいです。だから決まったと伝えられた時「本当ですか!?」って疑っていました(笑)。本当に私でいいんですか? って。

——ご自身としてはあまりうまくいかなかったというのは、どういう点でそう感じていたのでしょうか?
和泉:「こういうふうにやってみてください」といういろいろなディレクションに対して、できる限りやっていたんですが、うまく応えられないときがあって……。おそらく演技の幅を見ていただくために、「一度ノレンを演じているということは忘れた状態でやってみてください」と言われたのですが、少し食い違いがあって、私はノレンのことは忘れないまま、ノレンにとって“自分がノレンだったらどうするか”という意識で演じてしまったんです。そういう齟齬があったり、うまく咀嚼できていなかったかもといった思いがあったので、帰る途中も「あの要望はこういう意図だったのかな」と考え込んでいました。
——少し食い違ったところがあったのかもしれませんが、その結果出てきた演技がよかったのかもしれないですね。
和泉:そうだと嬉しいです……! でも「ダメだと思っていたオーディションも受かることがあるんだ」と前向きになれました。「どうしても受かりたい!」という思いもあったけれど、できることしかできないから、私がいまできること以上の力が出せるようなメンタリティでいけたらいいなと思っていました。ノレンも結構思い切りがよくパワフルな子なので、「なんとかなれ!」という気持ちが、もしかしたらノレンと通ずるところがあったのかもしれません。

——実際にアフレコをするなかで、特にノレンらしさを感じたシーンはありますか?
和泉:序盤で、十三くんにラーメン屋で働いているところを見られて、その直後の帰り道での会話にはすごくノレンらしさが詰まっているなと思います。十三に頭を下げて謝るという、思い切りのよさもあるし、実は過去の経験から他人に対する警戒心があるけれど、本人自身は他者への先入観もなくすごくフランクに接する子なので、そういう良さが出ていたシーンだなと。あと「私はラーメン屋になりたいんだ」とハッキリ宣言をしますが、あんな中学生の子があそこまで自分の未来のこと考えてどうしたいかというビジョンを持っているところには、芯が強いノレンらしさが表れています。幼い頃からずっと、「自分はどうしたらこの環境から抜け出せるのか」を考えてきた結果としてああなったのだと思います。
——ノレンは第2話から本格的に登場して、最初からいろいろな面を見せてくれますね。演じていていかがでしたか?
和泉:本当に飾りっ気がない、嘘がない子なので、私も自分の気持ちをそのまま声にするようにしていました。そこさえしっかりしていればノレンからずれることはないと思っていたので、中途半端な感情表現をするより割と自由に突き抜けたほうがノレンっぽいなと。私も“0か100か”の人間で、たとえばすごく小さいことですけど、「今日のお昼はこれが食べたい」と思ったら、それが食べられないならもう何も食べない(笑)。ノレンの中には「こうだ」という正義があると思っていて、私も自分が正しいと感じることを信じて暮らすことが好きなんです。矢印があったら矢印に従って歩きたいし、「ここは左側通行です」「こっちは右側通行です」といったルールがあったら周りに誰もいなかったとしてもそれを守りたい。そういうところも似ているのかなと思っています。
——ご自分に厳しい性格?
和泉:厳しくしているというより、正しいと思っているから自分がそうしたい。逆にその意識が固まったりして、もしかしたら融通が効かないところもあるかもしれないんですけど……。その点、ノレンは他人の言葉からも影響される子なので、器が広いなと思います。私の器広い版です(笑)。

——この作品の子たちは、しっかりしすぎていて忘れそうになりますが中学1年生なんですよね。
和泉:いや、そうなんですよ。本当に人間ができている。いろいろな経験をしてきたんだろうな、大変だったんだろうなとすごく思います。
——ちなみに先ほどの「これが食べられないぐらいだったら食事なんてしない」くらいこだわりある食べ物はなんだったんですか?
和泉:その日はフレンチトーストが食べたかったんですが、入ろうとしたお店が潰れていて、代わりのお店を調べて「次はあっちだ」と思って行ったら貸切営業になっていて、次は売り切れていて……という日があって一生食べられなかったので、もう食べるのをやめました(笑)。


















