高橋一生は演じ続けることで進化し続けている “これまで”を堪能できる『リボーン』の魅力

高橋一生を堪能できる『リボーン』

過去作の記憶と重なり合う『リボーン』の奥深さ

『リボーン ~最後のヒーロー~』©テレビ朝日

 そして『リボーン』第1話を観た時、高橋一生がこれまで演じてきた役柄の多くと重なるものがあると思った。第1話前半で描かれた、根尾光誠の転落劇。冷酷無比と評され仲間にも愛想をつかされるその男の孤独は、ビルの上層階の一室で1人ご飯を食べる姿からひしひしと伝わってくる。多少辛辣な言葉で彼の現実を言い当てる話し相手のAIツールは、彼が纏う闇の中で燦然と輝く満月のようだった。それはどこか、月の下で囲碁を打っていた『おんな城主 直虎』の政次を連想せずにはいられなかったが、これは私の思い入れが強すぎるせいだろうか。

 そんな彼が、神社の階段で何者かに突き落とされ、偶然そこにいた英治とぶつかったことで奇妙な「転生」をしてしまう場面で思い出すのは、綾瀬はるかとの入れ替わり劇『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)だ。英人になった後の、父・英治をはじめとする下町の商店街の気のいい仲間たちとの和気藹々とした日々は、地方都市で代々続く煙火店(花火店)を舞台にした『6秒間の軌跡―花火師・望月星太郎の憂鬱』(テレビ朝日系)を思い起こさせる。

 このように、高橋一生が演じてきた様々な役と重なり合う部分を感じながら、「野本英人」という役を演じる根尾光誠を見つめてみると、本作はなんとも奥深い。

 第3話で画家として脚光を浴び、戸惑う更紗(中村アン)が「ここに映っているのはホントの私じゃなくて、虚構の世界の私だからさ」と言う場面があった。それに対して英人は、「みんなホントの自分が分かって生きてるわけじゃないだろう。それにウソの自分を演じなくちゃいけないときもある。虚構の何が悪いんだ。ウソも本当も混在しているからこその芸術だろう?」と説く。

『リボーン ~最後のヒーロー~』©テレビ朝日

 実際に英人となった光誠は、持ち前のビジネス手腕と未来を予見する力を使って商店街を変えていく。その一方で、英人の妹・英梨(横田真悠)に会ったその日に、本来なら根尾光誠の会社に勤める未来が予定されている彼女の将来を案じ、必死で就職活動のアドバイスをしたりもする。

 すべては自分の生活の基盤を整えるためとはいえ、父・英治や更紗をはじめとするあかり商店街の人々のために尽力し、その人の一番の幸せを模索する姿には、本来「FOR THE PEOPLE」を理念に掲げていた彼の本質が滲み出ている。つまり、英人の身体を借りているからこそ、根尾光誠自身が見失っていた本当の姿が見えてきたのだ。

 第5話では、英人になった根尾光誠が“根尾光誠”を演じるらしい。虚構の上に虚構を重ねたその先にあるものは何なのか。高橋一生だからこそ成立する、根尾光誠/野本英人の物語の行く末を楽しみたい。

■放送情報
『リボーン ~最後のヒーロー~』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00〜21:54放送
出演:高橋一生、中村アン、鈴鹿央士、横田真悠、小日向文世、市村正親
脚本:橋本裕志
演出:藤田明二、麻生学、二宮崇
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:山形亮介(テレビ朝日)、中込卓也 (テレビ朝日)、河野美里 (ホリプロ)、奥村麻美子(ホリプロ)
制作協力:ホリプロ
制作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/reborn/
公式X(旧Twitter):https://x.com/@reborn_tvasahi
公式Instagram:https://www.instagram.com/reborn_tvasahi
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