『風、薫る』佐野晶哉&林裕太は“愛されキャラ”になる予感 高橋文哉、戸塚純貴に続くか

『風、薫る』の前々作にあたる『あんぱん』(2025年度前期)で高橋文哉が演じた辛島健太郎は、初登場時から最終回まで、同作においてもっとも愛すべきキャラクターのひとりだっただろう。高橋は柔らかな演技で親しみやすい健太郎像を立ち上げ、これが作品全体の柔らかさにも影響を与えていたほどだ。少し間の抜けたところは“変わり者”としても映ったものだが、物語の展開が深刻なところへ進んだとき、彼の茶目っ気が救いになった。同じように感じている方は多いことと思う。
さらに遡ると、『虎に翼』(2024年度前期)で戸塚純貴が演じていた轟太一の存在に思い至る。彼は登場するたびに注目を集め、話題を呼ぶキャラクターだった。最初のうちはヒロインらとの摩擦を起こす問題児的人物として描かれていたが、しだいに影響を与え合うような重要な存在に。戸塚の豪快で繊細な表現から生まれたいくつものシーンを、いまもよく覚えている。
『虎に翼』戸塚純貴が透明化された人々の代弁者に 朝ドラで“セクシュアリティ”を扱う意義
放送中の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)は、愛すべき登場人物たちで溢れている。物語の進行によって状況が変わっても、いつだってヒロイ…もっと遡れば、『らんまん』(2023年度前期)で前原滉と前原瑞樹が演じた波多野泰久と藤丸次郎のコンビも、ここまで記してきた系譜に連なる存在だっただろう。主人公と影響を与え合い、物語に変化をもたらし、作品の印象を左右するほどの重要なキャラクター。それが波多野と藤丸だった。ふたりの前原は演技巧者としてポジションをこの時点で確立していたが、やはり『らんまん』に出演して以降の飛躍ぶりには目を見張るものがある。ちなみに“コンビ”でいえば、前作『ばけばけ』(2025年度後期)で錦織丈と正木清一を演じた杉田雷麟と日高由起刀もそうだ。

さて、“島田健次郎=佐野晶哉”と“槇村太一=林裕太”もまた、彼らのような存在となり、飛躍していくこととなるのか。佐野は『20歳のソウル』(2022年)や『か「」く「」し「」ご「」と「』(2025年)といった同世代の若手俳優が集う作品で経験を積み上げつつあるし、『愚か者の身分』(2025年)で先輩俳優たちと共闘してみせた林は、先述しているように最注目の若き演技者だ。『風、薫る』でもその存在が光る瞬間がやってくるに違いない。親友同士であるシマケンと太一の日常がよりクローズアップされるその日を、いまはただ待つばかりだ。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK






















