『LOVED ONE』を導くディーン・フジオカの俯瞰力 加藤達也プロデューサーが明かす秘話

ディーン・フジオカが主演を務める『LOVED ONE』が、フジテレビ系水10ドラマ枠で放送中。完全オリジナル脚本となる本作は、“死因不明”という社会課題に切り込みながら、法医学専門チームMEJが声なき痕跡から真実を追うヒューマンミステリーだ。
企画・プロデュースを務めるのは、『地獄の花園』『赤羽骨子のボディガード』など映画の領域でも活躍してきた加藤達也。ディーンについて「俳優でありながらプロデューサー視点まで持っている」と語る加藤に、キャストの起用理由やオリジナル作品ならではの挑戦について話を聞いた。
タイトル「LOVED ONE」はどう生まれた?

――タイトルの「LOVED ONE(ラブドワン)」は、法医学者が遺体にささげる敬意が込められた言葉ですが、どのような経緯でこの題材に決まったのでしょうか?
加藤達也(以下、加藤):企画の立ち上げ当初は、法医学をベースにしながら、ミステリー要素もありつつヒューマンな作品にしたい、というかなり漠然としたイメージでした。そこから資料を調べる中で、日本からアメリカに渡って実際に働かれている法医学者の方を知り、直接ご連絡してオンラインでお話を伺ったんです。日本との違いを聞く中で、「ご遺体」を英語でどう表現するのか教えていただき、そのひとつが「LOVED ONE」でした。その言葉に出会った瞬間、すごく運命的なものを感じましたし、一気に作品の骨組みが見えた感覚がありました。タイトルが起点となって、このドラマが形になっていきました。
――本作は5人の脚本家による共同執筆「ライターズルーム」形式を取り入れていますが、舵取り役として実際やってみてどうですか?
加藤:まず大きな世界観を共有し、キャラクター像を全員で理解するところまではかなり時間をかけました。人数が多い分、さまざまなアイデアが出るのは大きな魅力ですが、軸がぶれてしまうと作品全体が見えなくなってしまうので、そこは丁寧にコミュニケーションを重ねながら進めました。監督のビジョンを共有し、物語全体で何が起きていくのかも綿密に固めた上で走り出せたと思います。脚本家それぞれの個性は各話にしっかり表れていますが、それがノイズになるのではなく、キャラクターの幅や作品の味わいにつながっている。全話を通してひとつのパッケージでありながら、少しずつ彩りが違う。その面白さはシリーズならではだと感じています。

――加藤さんは映画の領域でもご活躍されていますが、テレビドラマならではの醍醐味はどのような部分に感じられていますか?
加藤:映画が約2時間で物語を描くのに対して、連続ドラマは全11話なら10時間以上かけて描くことができます。だからこそ、シリーズ全体の構成だからこそ成立する物語があると感じています。また、撮影と放送が並行して進んでいくので、現場の中でキャラクターが成長したり、変化していく熱量をリアルタイムで作品に反映できるのもドラマならではです。映画は1〜2年前に撮影したものが公開されることも多いですが、ドラマはその時々の俳優さんの魅力や勢いを閉じ込められる。そこはすごく面白いですし、大きな魅力だと思います。

――逆に大変な部分も?
加藤:もちろん物語のゴールは決めて作っていますが、そこに向かう過程で、撮影しながらキャラクターが変化したり、想像以上に成長していくこともあります。その都度、柔軟に物語を調整していく難しさはありますね。今作でいうと、法医学という題材をベースにしながら、そこへどうヒューマン要素であったりミステリー要素を組み込むかは最初かなり悩みました。特に第1話は、試行錯誤を重ねながら形にしていった印象があります。
「俯瞰の視点を持つ主演俳優は、なかなかいない」

――主演にディーン・フジオカさんを起用した理由も教えてください。
加藤:物語のベースにアメリカの死因究明制度がもしあったらという設定があったので、グローバルに活躍されている方が合うと考えていました。ディーンさんはその点で非常にぴったりでしたし、理知的な雰囲気がある一方で、バラエティなどで見せる明るさや親しみやすさもある。天才性とどこか隙のある魅力が同居した人物になったら面白いと思い、お願いしました。
――実際にディーンさんが演じられている姿を見て、想定以上の魅力はどんな部分に感じられましたか?
加藤:台本だけを読むと、もっとクールで天才肌の人物として演じることもできたと思います。でもディーンさんが演じることで、無邪気さやチャーミングさが加わり、そのギャップが生まれました。そこはディーンさんご自身のアイデアでもあって、その振れ幅によって、より豊かで奥行きのあるキャラクターになったと感じています。
――座長としての存在感はいかがですか?
加藤:ディーンさんは、俳優でありながらプロデューサー視点まで持っている方です。ご自身の役だけでなく、このドラマをどう見せるか、どんな立ち位置にしていくか、さらには社会にどんなインパクトを残せるかまで考えてくださっている。そういう俯瞰の視点を持つ主演俳優は、なかなかいないと思います。




















