『豊臣兄弟!』仲野太賀が第1話とは別人の“侍”の顔に “自分を殺した”明智光秀の皆殺し

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第16回「覚悟の比叡山」では、藤吉郎(池松壮亮)と明智光秀(要潤)による比叡山延暦寺の焼き討ち、さらに弥助(上川周作)ととも(宮澤エマ)の幼い息子・万丸(小時田咲空)が“人質”として引き渡されるといった、緊迫したシーンが続く。
浅井の家臣・宮部継潤(ドンペイ)の調略を任せられた小一郎(仲野太賀)と藤吉郎。継潤が織田の配下につく条件として提示してきたのが養子、つまりは人質だった。子を持たない小一郎と藤吉郎が差し出せるのは、姉・ともの息子である万丸だけ。

第15回で、ともが小一郎に「浅井様とのことだけじゃない。お市様が織田に戻るということは、お子と別れるということでしょう? そんなの無理よ。男には分かんないかもしれんけど」と話すシーンがあったが、今回、小一郎が万丸を差し出すようともを説得することになってしまう。
到底納得できるはずのないともだったが、小一郎の「わしらはもう百姓ではない。侍なんじゃ」「わしら家族は守られる側から、守る側になったのじゃ。一人でも多くの者が助かる道を選ばねばなりませぬ。人質などなくとも、みんなが笑って生きられる世をいつか作って見せまする」という言葉に、ただ従うしかなかった。

ともの瞳から大粒の涙があふれ落ち、頬を伝う。同席したあさひ(倉沢杏菜)が「間違ってる」と真っ向から否定しているように、多くの時間を一緒に過ごしてはこなかった小一郎の言葉は、ともにとっては綺麗事でしかない。しかし、それが「侍になった」ということでもあり、浅井長政(中島歩)と同じように後戻りはできないところまできていることを示している。戦国に生きる宿命。姉川の戦いで初めて人を斬り、地獄を生き抜いた小一郎の変化とも取れるだろう。
万丸が宮部の元へ行き、3カ月。弥助とともを前に、継潤は「万丸が一度も泣いていない」と伝え、2人を安心させる。「一人でも泣かぬと、強うならねばならぬと、おっかさまからそう教わったのだと、万丸はあなた様の教えをちゃんと守っておりまするぞ」という継潤の言葉に、ともは微かな笑顔を浮かべ、安堵の涙を流す。その様子を、慶(吉岡里帆)が俯いた表情で見つめていた。

一方、敗走した長政と朝倉義景(鶴見辰吾)が立てこもった延暦寺を、信長は焼き払えと命じる。義昭(尾上右近)にとって浅井・朝倉と織田の和睦は、幕府再興に向けた会心の一手。信長は光秀に疑いの目を向けながら、延暦寺の者の皆殺しを命令した。役目を買って出た藤吉郎と光秀が、延暦寺攻めを行うこととなる。
女、子供だろうと容赦はしないという信長に対して、藤吉郎はどうにか逃す手はないかと考えていた。しかし、それは信長の命令に背くということ。大勢の人々がひしめきあう光景を目の当たりにし、藤吉郎は女と子供たちを逃す選択を取った。
藤吉郎が駆けつけると、光秀は炎に包まれ立ち尽くしている。折り重なった屍の山。血飛沫で赤く染まった光秀の顔。信長の目を欺くことはできないと、自分を殺した末の惨状だった。

光秀が行った皆殺しに激怒する義昭。そんな光秀に、信長は近江国・滋賀郡を与える。城持ち大名という思わぬ褒美に光秀は驚く。光秀までも信長に傀儡とされてしまい、義昭の憎悪は膨れ上がっていくばかり。藤戸石に刃を向け「織田信長!」と叫ぶ義昭の血眼は、信長だけを捉えている。
ここから義昭は挙兵し、世に言う「信長包囲網」が形成される。『豊臣兄弟!』がスタートしてからおよそ4カ月。次回描かれる「小谷城の戦い」は、前半パートのクライマックスと言ってもいい盛り上がりになる予感がする。
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
























