『ラムネモンキー』の“原点”に『北の国から』? 生きていくために必要な“空想”のススメ

過酷な現実を生き抜くための「空想」の力

『ラムネモンキー』と『北の国から』の接点は、UFOと女教師だけではない。
『ラムネモンキー』は先にも述べたとおり、「失われた30年」を生きてきた3人の男の物語である。印象的だったのは、第5話でバブルを生き抜いて勝ち組になった男、蛭田(生瀬勝久)と対峙した場面だ。
蛭田は3人に「君たちはロスジェネだもんな。失われた30年の犠牲者だ。ひどい話だ」と語りかけ、「賢く生きりゃ、勝ち抜くことはできるんだ」と自分のサロンへの参加を呼びかける。それに噛みついたのが、Z世代にあたる白馬(福本莉子)だ。
白馬は「あなたたちは何をしていたんですか?」「上の世代が作った経済成長に乗っかって、自分だけ勝ち抜けて、30年、この国が苦しむのを見て笑ってたんですか?」とまくし立てる。自分さえ良ければいい、自分さえカネが儲かればいい、カネが儲かれば何をしてもいい。そんな大人たちの態度が、今の経済が衰退してヘイトと詐欺ばかりが横行する日本を生み出した。白馬はそう感じたのだろう。彼女の言葉を隣で聞いていたユンは、こう続ける。
「今あなたの話を聞いて無性に恥ずかしくなりました。一生懸命生きてる人をバカにするな! 愚かでも不器用でも、真面目に、ひたむきに生きてる人が一番尊敬されるべきだと思います!」

ユンが語った「愚かでも不器用でも、真面目に、ひたむきに生きてる人」の代表的な例が、『北の国から』の五郎である。バブルに浮かれる日本に背を向け、泥まみれになって、愚直に、真面目に、ひたむきに生きた五郎の姿に多くの人たちが感銘を受けてきた。2002年のスペシャルドラマで五郎は「金なんか望むな。幸せだけを見ろ」と語っている。
五郎の子ども、純は1971年前後の生まれ、螢は1973年前後の生まれ(『北の国から』の年表によると1980年に純は小学4年生、螢は小学2年生)。1988年に中学2年生だったユン、チェン、キンポーとはほぼ同世代人だ。『北の国から』で描かれた純と螢(と正吉)の半生と、ユン、チェン、キンポーの歩みを比べるのも面白いだろう。なお、「魔女」こと黒江の婆さん(前田美波里)と『北の国から』の笠松のとっつぁん(大友柳太朗)もよく似たキャラクターである。
倉本聰は、『北の国から』にUFOを出したのは、空想の大切さを伝えたかったからだと語っていた。『ラムネモンキー』第10話の予告でも「空想」という言葉がクローズアップされている。50歳に達した大人たちが、汚いカネに惑わされず、苦難にもへこたれず、前を向いて生きていくには何が大切なのか。『ラムネモンキー』の終幕でどう描かれるのかをじっくり見届けたい。
51歳になり人生に行き詰まりを感じる元映画研究部の凸凹3人組が37年ぶりに再会。故郷の人骨発見を機に、中学時代の憧れの顧問教師の謎の失踪事件を追い、再び走り出す。
■放送情報
『ラムネモンキー』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:反町隆史、大森南朋、津田健次郎、木竜麻生、福本莉子、濱尾ノリタカ、大角英夫、青木奏、内田煌音ほか
原作:古沢良太『ラムネモンキー1988』(note刊)
脚本:古沢良太
企画・プロデュース:成河広明
プロデューサー:栗原彩乃、古郡真也
演出:森脇智延
主題歌:Bialystocks『Everyday』
音楽:Bialystocks
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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