通常作業を3週間ストップ? 困難を乗り越えた『私がビーバーになる時』の大胆な制作手法

3月13日に公開されるディズニー&ピクサー映画『私がビーバーになる時』の制作手法について、監督を務めたダニエル・チョンが明かした。
本作は、動物好きの少女・メイベルが、科学者たちが発明した人間の意識をリアルなロボット動物に“転送”させる方法を利用し、動物たちと話すことができる“もしも”の世界を描くファンタジー。第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、2024年公開の続編も世界的大ヒットを記録した『インサイド・ヘッド』のストーリーボードアーティストであるダニエル・チョンが監督・脚本を務めた。
動物たちの世界が舞台のため、大自然の背景にかわいらしい動物たちのキャラクターをアニメーションでポップに表現することに苦戦したという本作。ピクサーの製作陣は最高の表現技術を見つけるため、キャラクターチームとセットデザインチーム全員が“通常作業を3週間ストップ”し、徹底的に課題に向き合うという大胆な制作手法を取った。
ピクサー作品は、『ファインディング・ニモ』や『ファインディング・ドリー』の青く広い海の描写のように、大画面に引き込まれる映像美が魅力の一つである。本作は、緑豊かな大自然とたくさんの動物が登場するが、本作を制作するにあたり、豊かな自然をピクサー独自のスタイルで、魅力的に描くにはどうするべきかという大きな壁にぶつかった。ダニエル・チョン監督は、「制作の早い段階で自然をCGで表現するのは非常に難しいと分かっていました。しかし私たちはキャラクターに焦点を当てるため、自然の要素を簡素化し描く必要がありました。『自然を美しく描きつつも、キャラクターが目立つような背景として表現するには?』という課題が生じました」と明かす。
そこで、制作チームはその課題に向き合うために、3週間も通常作業をストップして、それぞれの専門分野に没頭し、ビジュアル表現に挑戦する時間を設けたという。各々が時間をかけて丁寧に課題に向き合った結果、自然を描く表現方法についてVFXスーパーバイザーのベス・オルブライトは、「全員が3週間、通常の作業を一度止め、それぞれの専門分野であるライティングやキャラクター、エフェクト、セットなどに没頭し、ずっと試してみたかったビジュアル表現に挑戦する時間を設けたのです。その探究の結果、あらゆる部署から非常に独創的で興味深いビジュアル表現が生み出されました。そうして生み出されたのが、個々の葉をいったん“点”として処理することでした。森を描くときに、葉を小さなスタンプのように扱うことで自然を描く時の情報量が少なくなり、キャラクターのシルエットは柔らかく触感的でありながら、明確で表情豊かなものを保つことができました」と導き出した方法について解説した。
■公開情報
『私がビーバーになる時』
3月13日(金)公開
監督:ダニエル・チョン
制作:ニコル・パラディス・グリンドル
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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