『豊臣兄弟!』仲野太賀の魂が刻まれた“兄弟の絆”の神回 小栗旬による新たな織田信長像も

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第6回「兄弟の絆」は、制作統括の松川博敬が「この回を観てもらうために生まれたと言っても過言ではない」と太鼓判を押す最重要回だ(※)。大沢(松尾諭)の従者の荷に苦無(くない)を忍ばせ、疑いの目を向けさせたのは誰か。その“吟味”を行う小一郎(仲野太賀)に、信長(小栗旬)は1日の猶予で犯人が見つからなかった場合は、小一郎に大沢を斬れと命じるのだ。さらには鵜沼城で人質となっている藤吉郎(池松壮亮)の代わりに侍大将にもしてやると。

第6回は小一郎が犯人を見つけるミステリー仕立てになっており、甚助(前原瑞樹)の目撃証言を頼りに、小一郎は織田家臣・佐々成政(白洲迅)を訪ねる。苦無を入れたのは佐々であるが、それを命じた真犯人は信長本人。次々と親類縁者を亡きものにして家督を掴み取った大沢を信長は信用しておらず、自分と重なる冷酷さを感じていた。つまりは早めに芽を摘んでおくために、大沢を信長のいる小牧山城へと呼び寄せたということ。その上で信長は「わしへの忠義を示せ」と小一郎に迫る。信長に頬を触れられた小一郎の表情からは、激しく動揺し、恐怖していることが伝わってくる。
吟味による真実を重臣の前で報告することなどもってのほか。それではどうすれば小一郎は信長から許され、大沢も、囚われの藤吉郎を助け出せるかがポイントとなる。小一郎は信長に対して、「こたびのことでわしはあなたのことが大嫌いになり申した! わしを生かしておいたらいつか寝首を掻くかもしれませんぞ!」と驚きの行動に出る。最初から信長が大沢を殺すつもりでいたことを藤吉郎は知っていた上で、それでも信長の言葉を信じ、人質になることを選んだ。そんな藤吉郎を見捨てるのかと小一郎は信長に食ってかかる。

無礼は百も承知。それでも信長を諌める小一郎に、柴田勝家(山口馬木也)ら重臣も黙っていない。小一郎は裏切り者である自分を斬って信長に忠義を示せと大沢に迫る。死を覚悟した小一郎は「直……すまん」とつぶやき、頬を一筋の涙が伝う。結果、大沢が仏門に入ることで、小一郎の非礼も許されることとなった。

文字通り決死の覚悟で信長に諫言した小一郎には、天性の“人たらし”の才能があるのはもちろん、どこかで信長を信じていたところもあったのではないだろうか。逆に信長にとっては小一郎を試していた部分もきっとある。第6回で目を見張るのは、仲野太賀と小栗旬がぶつかり合う芝居合戦のみならず、信長に憎悪の目で刀を向ける信勝(中沢元紀)と、その死を目の当たりにする信長だ。
『豊臣兄弟!』第6回は「仲野太賀の芝居を見る回」 制作統括によるキャスティング秘話も
大河『豊臣兄弟!』制作統括・松川博敬インタビュー。第6回は「兄弟の絆」と「人を信じる力」を描く重要回で、仲野太賀の熱演と小栗旬演…小一郎は信長を説き伏せようと市(宮﨑あおい)にすがるが、信長は信勝とのことがあって以来、人を信用できなくなってしまったと話す。そこからの回想で映し出されるのは、団子を食べ、猪狩りに出る仲のよい兄弟としての信長と信勝の姿。しかし、信勝に2度目の謀反の疑いがかかり、信長を襲おうとする信勝を勝家が背後から斬り伏せる。息絶える間際、兄を呼ぶ信勝はあの頃の優しい眼差しに戻ったような気がした。死にゆく信勝を前に、信長は顔を真っ赤にして堰き止めていた感情を溢れさせる。慟哭の声を上げる小栗旬の芝居に松川も驚いたと取材会のなかで話していた。

このシーンが表しているのは、小一郎と藤吉郎だけでなく、その対比として描かれている信長と信勝の兄弟の関係性。信長は小一郎に信勝の姿を見ながら、大沢を、つまりは兄の藤吉郎を裏切るものだと期待していた。しかし、小一郎は藤吉郎を見捨てることはしなかった。それは、信長にとっては思わぬ誤算。どこか嬉しそうなのは、信長が小一郎を少しずつ“弟”のように思い始めているからではないだろうか。だとすれば、第6話の「兄弟の絆」という週タイトルが様々な意味を含んでいるようにも思えてくる。

無事に人質から解放された藤吉郎は寧々(浜辺美波)へのプロポーズに成功し、見事夫婦に。第7回「決死の築城作戦」で病に倒れる直(白石聖)も気がかりだが、2月11日に放送された特別編『プロローグ〜そして伝説は始まった〜』では、今後登場する竹中半兵衛(菅田将暉)、明智光秀(要潤)、浅井長政(中島歩)らの姿も映し出された。公式サイトでは、仲野太賀が撮影に挑む姿を1年間記録するインタビュー企画「仲野太賀 大河の一年」もスタートし、まだまだ盛り上がりは加速していきそうだ。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2026/02/post-2304740.html
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi






















