韓国版『セカコイ』はなぜ“明るく”描かれたのか? 日本版との比較で読み解く演出の妙

2月4日よりNetflixで配信されている韓国映画『今夜、世界からこの恋が消えても』がヒット中だ。本作は、一条岬による同名小説を原作とする物語で、2022年に日本で公開され大ヒットした映画を韓国版としてリメイクしたものだ。
眠るとその日の記憶を失ってしまう病を抱えるヒロインと、彼女に恋をした青年が、限られた「今日」を積み重ねていく純愛譚は、原作小説の刊行以降、映画化を経て、世代と国境を越え、多くの人の感情を揺さぶり続けてきた。
“ミチゲッタシュンスケ”という言葉をご存じだろうか
日本版『今夜、世界からこの恋が消えても』(通称:『セカコイ』)は、三木孝浩監督が、道枝駿佑と福本莉子の「一瞬の輝き」を永遠に封じこめた純愛作品として、多くの観客の涙腺を崩壊させた。その人気は日本のみならず韓国でも熱狂を呼び、主演の道枝駿佑は、韓国語の「ミチゲッタ(狂おしいほど好き)」をもじった“ミチゲッタシュンスケ”という愛称で大旋風を巻き起こした。彼の甘いルックスと、作品内で見せたピュアで儚げな存在感は国境を越え、現地のファンの心を文字通り狂おしいほどに揺さぶった。
韓国で異例の大ヒットを記録した『セカコイ』は、韓国の地で新たな息吹を得て、2025年12月24日に韓国版として劇場公開された。主演には『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』のチュ・ヨンウと、『THE WITCH/魔女』のシン・シアが名を連ねる。そして、早くも2月4日よりNetflixで独占配信がスタート。配信翌日には日本で【今日の映画TOP10】の2位、韓国では1位を記録し、「韓国版『セカコイ』」として見事に花開いた。
注目を集めている本作だが、演出を手がけた『恋愛体質』『私が死ぬ一週間前』のキム・ヘヨン監督は、本作を原作小説よりも明るいトーンで描いたと語っている(※)。作品全体を淡いトーンの画面で包み込み、静かなエモーショナルさを醸成していく日本版に対し、韓国版は、韓国エンタメ界が得意とするビビッドな色彩を用いた映像美を全面に押し出している。

監督が語った通り、明るいトーンの映像が随所に挟まれ、全体としては青春映画の趣が色濃い。同じ「海」を映す描写でも、韓国版はキラキラと水面が輝き、まさに青春そのものという演出だ。「花火」の演出も、大きな花火が夜空に打ちあがり、浴衣も相まって叙情的な雰囲気の日本版に対し、客船の上から眺める「花火」という豪華なシチュエーションをあててきた韓国版は、視覚効果に訴えかける力の強さを見せている。





















