『8番出口』はオランダでも話題? 第55回ロッテルダム国際映画祭を現地レポート

また、ライムライト部門は、その年の国際的な映画祭で話題となった作品や、各国で注目を集める作品を集めたメイン部門の一つだ。日本からは、STUDIO4℃最新作の長編アニメーション映画『ChaO』(青木康浩監督)、二宮和也が主演を務めた映画『8番出口』(川村元気監督)、「ペリリュー島の戦い」を描いたアニメーション映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(久慈悟郎監督)、細田守監督作『果てしなきスカーレット』、山田洋次監督作『TOKYOタクシー』がラインナップされている。半数以上がアニメーション作品である点も興味深いが、現地での認知度という点では、『8番出口』が圧倒的だったように感じられた(が、街中で『8番出口』のポスターを見かける機会はなかった……)。
『8番出口』を観た観客に感想を聞くと、日本の東京を旅行で訪れたことがあるという男性は、「日本の駅にある独特の空気感がリアルで印象に残った。静かな怖さが続く感覚には、アジアのホラー映画ならではの面白さがあり、全体としてもアート性の高い作品だと感じた」と語っていた。

第55回ロッテルダム国際映画祭のテーマに掲げられているのは「発見」だ(※公式プログラムガイドより)。今年のプログラムでは、現代アラブ映画、日本のVシネマ、そしてフェミニズムの歴史とその現在的意義を見つめ直すプログラム「The Future Is NOW」が組まれている。

そして、1月30日には、俳優・プロデューサーであり、UNHCR親善大使も務めるケイト・ブランシェットの発案により設立された難民映画基金の支援を受けた短編映画5作品のワールドプレミア上映も行われた(※)。本難民映画基金は、避難(=ディスプレイスメント)を余儀なくされた映画制作者、あるいは避難民としての経験を描いてきた実績を持つ映画制作者を支援することを目的に、2025年に設立。ヒューバート・バルス基金を運営パートナーに、UNHCRを戦略パートナーとして始動し、短編映画を対象とした助成制度のパイロット版として展開するもので、創設パートナーには、マスターマインド、ユニクロ、ドローム・エン・ダード、タマーファミリー財団、アマホロ・コアリションが名を連ねている。

さらに、第55回ロッテルダム国際映画祭では、映画祭と都市との関係性が、より身近なかたちで感じられた。かつて北米へ渡る移民たちが多く宿泊したホテル「ニューヨーク」の近くに建てられた、移民をテーマにしたミュージアム・フェニックスとのコラボレーションにより、同館の屋外スペースでは無料上映やワークショップが行われ、家族連れも気軽に立ち寄れる場となっていたのだ。映画祭が映画館の外へと広がり、街の日常と自然につながっていることを、ロッテルダム滞在を通して実感した。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2026/02/post-2294667.html






















