“こんなJホラーは観たことがない!”の連続 『ばけばけ』視聴者も必見の『禍禍女』

『ばけばけ』視聴者も必見の『禍禍女』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、中高生の頃は3度の飯より恋バナに夢中だった佐藤が『禍禍女』をプッシュします。

『禍禍女』

 本作で監督を務めたのは、芸人、俳優、ラッパー、声優、ラジオパーソナリティと、ジャンルを横断しながら表現の場を広げ続けてきたゆりやんレトリィバァ。自身の恋愛体験を基に描かれた本作は、一目惚れした男性に執拗につきまとう「禍禍女」の正体と、恋する美大生・早苗(南沙良)の妄想と暴走を描くサスペンスホラーとなっている。2024年に配信されたNetflixシリーズ『極悪女王』で主演を務めたことで、ゆりやんの新たな一面を知った人も多いだろう。その延長線上にある作品として観ると、本作『禍禍女』はより面白く感じられるかもしれない。

 本作は「ちゃんとすごい」。というのも、世界各国22の国際映画祭に正式出品され、ハワイ国際映画祭ではハレクラニ・ヴァンガード・アワードを受賞。モントリオール・ニュー・シネマ国際映画祭では観客賞、イタリアのモンスターズ・ファンタステック映画祭では最優秀作品賞、さらに台北金馬国際映画祭では日本人監督として史上初となるNETPAC賞を受賞するなど、海外映画祭4冠達成(※1)と、実績だけでも観る理由としては十分な作品なのだ。

 超個人的な話になるが、以前ゆりやんのインタビューを担当した際、「目の前の人を楽しませたい!」という芸人魂を強く感じた。だからこそ本作『禍禍女』には、そのサービス精神とは少し違う、もっとパーソナルで、生々しい感情が詰め込まれているように感じられたのが印象的だった。

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 そして何より、「こんなJホラー観たことがない!」と思わされる映像表現の連続である。プロデューサーが約1年にわたり恋バナを聞き続け、実際の恋愛経験が詰め込まれた作品ということもあり、感情の描写はかなりリアル。本作は、散々な目にあった女性が怪物と化し、それを退治することで物語が回収されていく……といった、Jホラーおなじみの展開は用意されていない。主演の南沙良が演じる早苗による狂気のミュージカルシーンも強烈でかなり見応えがあるし、恋愛感情はどこまで人を狂わせるのか、その境地に踏み込んだ作品として最高だった。

 さらに見逃せないのが、現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』に出演中の髙石あかりと前原瑞樹の存在だ。特に髙石の怪演は必見。本人が「自分の持つエネルギーを全て放出するような感情爆発のシーンもあります」と語っている通り(※2)、『ばけばけ』で見せる親しみやすい佇まいとは真逆の、感情を限界まで振り切った芝居に挑戦している。物語のキーパーソンとなる前原については、ネタバレを避けるが、男性キャラクターの中でもひときわ存在感を放っているので、ぜひ楽しみにしてほしい。「ばけばけ」「まがまが」となんとなく似ているし(?)、『ばけばけ』視聴者にもぜひ観てほしい一作だ。

参照
※1.https://realsound.jp/movie/2025/12/post-2242317.html
※2.https://realsound.jp/movie/2025/11/post-2225424.html

■公開情報
『禍禍女』
全国公開中
出演:南沙良、前田旺志郎、アオイヤマダ、髙石あかり、九条ジョー、鈴木福、前原瑞樹、平田敦子、平原テツ、斎藤工、田中麗奈
監督:ゆりやんレトリィバァ
企画・プロデュース:髙橋大典(K2 Pictures)
脚本:内藤瑛亮
音楽:yonkey
配給:K2Pictures
©2026 K2 Pictures
公式サイト:https://k2pic.com/film/mmo
公式X(旧Twitter):https://x.com/mag_mag_pr
公式Instagram:https://www.instagram.com/mag_mag_pr/

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