朝ドラが描いてきた“働く女性たち” 『ばけばけ』ヒロインの親友・サワが受け継ぐ系譜

朝ドラが描いてきた“働く女性たち”

 何者でもない人々を描くNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。その中で制作統括の橋爪國臣が「これまでの朝ドラで多く見られたヒロインの造形に近い」(※1)と語るのは、主人公・トキ(髙石あかり)の幼なじみ・サワ(円井わん)だ。

 小学校の正規教員になることを目指し、臨時教員として現場で働きながら、ひたすら勉学に励むサワ。誰かに守られる立場ではなく、自分の足で立つために挑戦し続ける。その姿は、たしかに慣れ親しんだ朝ドラヒロイン像にしっくりくる。

 思い返せば、朝ドラはずっと「働く女性」を描いてきた。たとえば『カーネーション』(2011年度後期)の小原糸子(尾野真千子)は、岸和田のだんじり祭りに囲まれながら、男社会の職人の世界に飛び込み、ミシン1本で道を切り拓いた。

 戦時中、自由に服作りができなくなっても、もんぺに“おしゃれさ”や“デザイン性”を見出し、戦後は海外の流行を貪欲に吸収してデザイナーとしての地位を築いていく。3人の娘を立派に育てあげた糸子だが、彼女にとって仕事とは、自分の「好き」を貫く闘いでもあった。

伊藤沙莉こそ真の国民的俳優である 『虎に翼』で生き続けた、社会が求めたヒロイン像

数々の名作をバイプレイヤーとして脇から支え、ときに主役として作品の看板を背負ってきた伊藤沙莉は、かねてより多くの人々にとって国民…

 『虎に翼』(2024年度前期)で描かれたのは、日本初の女性弁護士・裁判官となった猪爪寅子(伊藤沙莉)。彼女が戦ったのは、女性が結婚した瞬間に「無能力者」と見なされ、自分の財産さえ自由に管理できなくなるという不平等な法律だった。

 職場でも家庭でも、寅子が何度も口にした「はて?」という言葉。それは、“当たり前”になっている理不尽を受け入れないという、社会への問いかけでもあった。仕事と育児の両立に追い詰められながらも、大黒柱として自分が信じた道を突き進む。その妥協のない生き方には、「女だから」と線を引かれることへの強い反発と、折れずにキャリアを積み上げることへの覚悟が滲んでいた。

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