鈴木亮平、デビュー20年を経ての演じることへの思い 「楽しくて、難しいからこそ悔しい」

「世間から見た鈴木亮平」と「本当の鈴木亮平」

――鈴木さんは2006年に俳優デビュー。それからちょうど20年が経ちますが、「20周年」という言葉を聞いて、どんな映像が頭に浮かびますか?
鈴木:あまり周年とかを気にせずに生きてきたタイプなので、「20年か」というくらいですね。それでも20年経って、まだまだ自分が必死でいられているので、この仕事を選んでよかったなと思います。
――先ほどから、お芝居についてすごく楽しそうにお話しなさる鈴木さんを見ていて、本当にこの仕事がお好きなんだろうなと。どこにそんなに魅了されるのでしょうか?
鈴木:なんでしょうね。お芝居、やられたことありますか?
――いや、ないんです。
鈴木:ないですか(笑)。お芝居ってすごくいいんですよ。自分以外の誰かを演じるというのは、その人の人生を生きようと試みること。その作業には、すごく学びが多い気がするんです。自分の人生だけを生きていると、自分の目線でしか物事を見られないじゃないですか。でも、役を演じることでいろんな人の立場からこの世界を見られるし、ひいては自分の生き方すらも客観的に見られるようになる。たとえば歴史ものをやると、これまでの人類の文脈みたいなものも見えてきますし、人間や人生に対しての捉え方がすごく多角的になっていくんです。ちょっと小難しいことを言っていますが、俳優という職業、演劇というものに関わったおかげで、人生が豊かになったと思います。
――お芝居を始めてすぐにその考えに行き着いたわけではないと思いますが、どこからそう思うように?
鈴木:年を取ったからじゃないですかね(笑)。最初はやっぱり、ただ楽しいんですよ。自分以外の何かになって、本気で自分を信じてやるっていうのは、たとえ技術が乏しくても、それだけで心地よくて。フィクションの世界に本当に入った気がして、単純に楽しくて、難しいからこそ悔しい。だからこそ、続けられるっていう。今でも苦しい面は多いですが、そこを補って余りある魅力があるんです。

――今でも苦しい思いをされることがあると聞いて、少し驚いてしまいました。
鈴木:たくさんありますよ。お芝居でも「もっといけるだろうな」という気持ちは常にありますし。もちろん20年前に始めた頃の僕が見たら、「すごい頑張ってるじゃん」と言うかもしれませんが、僕が今やりたいことはいっぱいありますし、そこに届かない自分を日々感じていて。でも、その気持ちがなくなったら、やる気も起きてこないので。20年間、当時と変わらない焦りと必死さを持ってやれていることは、すごく幸せだなと思います。
――20年が経ち、後輩もたくさん増えたと思います。たとえば『下剋上球児』(TBS系)で学生役を演じたみなさんなど、後輩たちに対する思いはいかがですか?
鈴木:今の子たちは、お芝居がすごくうまいんです。僕たちの頃よりも学ぶ機会があるし、演技という面に関してはすごく環境が良くなっているなと感じています。演技に対する考え方とか、現場の在り方みたいなものは、この20年でより本格的になってきているので、うらやましいなとも思います。彼らは放っておいてもやるでしょうから、どこか他の現場で会いたいな、と思いますね。実は『下剋上球児』がすごくいい現場だったので、「これ以上の現場にはしばらく出会えないかもしれない」と思っていたんです。でも『リブート』という物語は、それをやすやすと突き破ってくるぐらい面白かったですね(笑)。
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「日本一の下剋上まであと◯日」。放送回を重ねるごとに◯の中の数字が減っていき、ついに残り「1日」となったTBS日曜劇場『下剋上球…――なるほど(笑)。後輩たちの活躍は親心を持ってご覧になったりも?
鈴木:もちろん観ていますし、うまくいってる子たちに対して「安心するなよ!」という親心はあります。一方で、きっと今、もがいている子たちもいる。そういう子たちには「頑張れよ」「頑張ってほしい」と、心の中でひたすら思っています。僕もそういう時期が長かったので。
――鈴木さんは役作りにストイックで、出演作が必ずヒットする。そんなイメージが強いですが、期待されすぎて「鈴木亮平でいること」にプレッシャーを感じることはないですか?
鈴木:あまりそこは感じないですね。ちょっと鈍感になっているかもしれないです。それを気にしていたら、ビクビクして何もできないので。
――とはいえ、「世間から見た鈴木亮平」と「本当の鈴木亮平」にはギャップもあるのかなと。
鈴木:それはすごくありますね。ここ数年、ちゃんとした人に見られている気がします(笑)。仕事場で見せる自分と普段の自分は誰もが違いますし、『リブート』もそういうテーマなんですよ。人は誰しも状況によって演じ分けていて、「それって他の人に成り代わっているのと何が違うんだろう」と思ったりもしました。
――人はそれぞれに違う顔を持っている、ということですね。
鈴木:不思議とこの仕事って、演じているときの自分とか、現場で普通に気を使っている自分が、素の自分のように見られるんですよね。バラエティでも、人の目に映るものだからちゃんとするじゃないですか。でも、家に帰ったらそんなわけがないじゃないですか(笑)。とはいえ、俳優は日常を見られていいことはないので、イメージをみなさんに持っていただけているなら、そのままでいいんじゃないかなと思います。

――そんな鈴木さんに伺うのは恐縮ですが、最後にドラマの内容にかけて、最近ついた小さな嘘を教えてください。
鈴木:ちょっと家を出るのが遅れてしまったときに、「道が混んでて」と最近一回だけ言いました。
――イメージでは、絶対に嘘をつかずに「家を出るのが遅れました」とおっしゃるのかと(笑)。
鈴木:そんなことないです(笑)。「あ、そうなんですね」と返せるような、すべてが丸く収まる嘘もあります。それに僕も、怒られたくはないですから(笑)。
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妻殺しの濡れ衣で逮捕されたパティシエの早瀬陸は、悪徳刑事・儀堂歩に追い詰められ、真犯人を見つけ出すため、家族と過去を捨てて儀堂の顔に変わり“リブート”を決意する。
■放送情報
日曜劇場『リブート』
TBS系にて、1月18日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54放送
※初回25分拡大(21:00〜22:19)
出演:鈴木亮平、戸田恵梨香、永瀬廉(King & Prince)、蒔田彩珠、中川大輔、藤澤涼架、与田祐希、上野鈴華、藤田ハル、矢崎滉、野呂佳代、塚地武雅(ドランクドラゴン)、津田篤宏(ダイアン)、伊藤英明、山口紗弥加、池田鉄洋、酒向芳、黒木メイサ、原田美枝子、北村有起哉
第1話・第2話ゲスト:あかせあかり、上谷沙弥
脚本:黒岩勉
音楽:大間々昂、木村秀彬
主題歌:Mr.Children「Again」(TOY'S FACTORY)
プロデュース:東仲恵吾
協力プロデュース:國府美和
演出:坪井敏雄、田中健太、元井桃
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/REBOOT_tbs/
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