『あんぱん』『ぼくほし』『匿名の恋人たち』 2025年ドラマのベストカップルを選出!

2025年ドラマベストカップルといえば?

④『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)上白石萌音&森永悠希

『ちはやふる-めぐり-』を通して目の当たりにした“奇跡” 歴史の一部となった永遠の祈り

『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)が9月10日に最終話を迎えた。毎週涙ながらに見守らずにはいられなかった本作は、「青春映画…

 映画三部作の“その後”を描いた『ちはやふる-めぐり-』。もう一人の主人公は、梅園高校の非常勤講師で、競技かるた部の顧問になっていた奏(上白石萌音)だ。たまたま遭遇した教え子のめぐる(當真あみ)から「彼氏さんですか?」と聞かれた際の、「いや、そういうんじゃ……」「いや……違くはない」という衝撃発言をきっかけに、奏と勉(森永悠希)の恋は走り出した。机くんの「違くはない!?」にハモってしまったのは、私だけではないだろう。

 映画完結編から7年。まさか、かなちゃんと机くんの“その後”まで見届けられる日がくるとは思わなかった。2人の物語を本編の中できちんと描き切ってくれた『ちはやふる-めぐり-』の制作陣には、ただただ感謝したい。

⑤『40までにしたい10のこと』(テレビ東京系)風間俊介&庄司浩平

庄司浩平はなぜ役者を仕事に選んだのか 「つながっていると信じて、今やれることをやる」

日本の映像界にまた新たなスターが誕生する。『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日系)でデビューを果たし、7月から放送が始まったド…

 冴えないアラフォー・雀(風間俊介)が、「40歳までにやりたいことリスト」をクールなアラサー部下・慶司(庄司浩平)とひとつひとつ叶えてゆく『40までにしたい10のこと』。風間俊介初のBLドラマとしても注目を集めていた本作だが、視聴者を一気に物語の世界へ引き込んでくれたのは、150人以上が参加したオーディションを勝ち抜き、慶司役に選ばれた庄司浩平だろう。まるで漫画から飛び出してきたかのような圧倒的な存在感は、芝居の面でも明らかに作品をリードしていた。

 しかし物語が進むにつれ、役と深くシンクロした風間の巧さが際立ってくる。前半は慶司役の庄司に導かれるように物語が進み、後半は大先輩である風間が牽引する構図そのものが、雀と慶司の関係性を象徴しているようで、運命的なキャスティングに思えた。もしもドラマの中に入れるなら、やりたいことリストを勝手に付け加えたい。ふたりにやってほしいことはまだまだある。

⑥『匿名の恋人たち』(Netflix)小栗旬&ハン・ヒョジュ

「匿名の恋人たち」Episode 1 ダイジェスト Netflix

 若年層向けの胸キュンドラマや不倫ドラマが次々と生み出される昨今、大人の恋愛ドラマが観たい……と切実に思っていたところに、手を挙げてくれたのが小栗旬だった。相手役を務めるのは、『春のワルツ』『トンイ』等で知られる韓国の国民的女優ハン・ヒョジュ。このドリームキャストを実現させたのは、もちろんNetflixである。
 
 極度の潔癖症で他人に触れられない御曹司の壮亮(小栗旬)と、視線恐怖症で他人と目を合わせられない天才ショコラティエのハナ(ハン・ヒョジュ)が、次第に心を通わせる。王道のロマンティック・ラブコメディでありながら、その内実は、社会に上手く適応できず生きづらさを抱えた大人が、その苦しみを理解してくれる唯一無二の人と出会い、狭かった世界がどんどん開けてゆく大人の成長ストーリーだ。

 なんといっても見どころは、ドラマ『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)以来、13年ぶりに恋愛ドラマにカムバックした40代の小栗旬が、本作では一途に片想いをしている点だ。皮肉なことに、ハナは壮亮の親友である寛(赤西仁)に憧れを抱いている。恋心を自覚しながらも、それを決して押し付けず、むしろハナの気持ちを尊重し、その背中を応援する壮亮の姿がいじらしい。紆余曲折を経てたどり着いた2人のラストは、これ以上ないほどのサラン(愛)に満ちていた。

 あの小栗旬が40代になって、真正面からラブロマンスをやってくれたのだ。きっと2026年は、その背中に続く俳優たちが現れるだろう。日本の恋愛ドラマの未来は明るい!

参照
※https://niewmedia.com/specials/nibanmenokoi_ediwsk_wrasnk/5/?loader=1

■配信情報
Netflixシリーズ『匿名の恋人たち』
Netflixにて世界独占配信中
出演:小栗旬、ハン・ヒョジュ、中村ゆり、成田凌、伊藤歩、伊勢志摩、東景一朗、 福田航也、秋田汐梨、秋谷郁甫、米本学仁、山口紗弥加、原田美枝子、梶芽衣子、奥田瑛二、赤西仁、佐藤浩市
原作:映画『Les Émotifs anonymes』
主題歌:KIM CHAEWON of LE SSERAFIM「告白」
監督:月川翔
脚本:キム・ジヒョン
脚本協力:岡田惠和
エグゼクティブプロデューサー:岡野真紀子(Netflix)
制作:イム・スンヨン
企画:パク・ソヨン
プロデューサー:キム・ヨンオン、チェ・ギヨン、キム・クンシル、永井拓郎、大崎真緒
制作プロダクション:YONG FILM
制作協力:RIKIプロジェクト
撮影:山田康介
製作:Netflix
照明:渡部嘉
録音:柳屋文彦
装飾:小山大次郎
編集:ヤン・ジンモ
音楽:ダルパラン
ラインプロデューサー:森徹
制作プロダクション:YONG FILM, YONGFILM JAPAN
制作協力:RIKIプロジェクト
製作:Netflix

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