三谷幸喜×岡田惠和×野木亜紀子が“継承”した日本ドラマ 秋ドラマ3作品の脚本を考える

秋ドラマ“大御所”脚本家3作品を考える

野木亜紀子脚本『ちょっとだけエスパー』

『ちょっとだけエスパー』©テレビ朝日

 一方、野木亜紀子の『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)は、彼女にとっては新境地となるSFドラマだ。

 本作は、横領の罪で会社を解雇され、家族を失った47歳の文太(大泉洋)が、ちょっとだけ超能力を使えるエスパーとして再就職した会社「ノナマーレ」から与えられる謎の任務に挑む物語。文太は仲間のエスパーと行動を共にするのだが、文太たち主人公サイドはおじさんとおばさんのチームで、敵対する超能力者・Young3が若者チームだという構図が面白い。

 「ノナマーレ」の社長・兆(岡田将生)は、文太たちがエスパーに選ばれたのは「いてもいなくても変わらない。いなくなっても誰も気にしない。この世界に何の影響も及ぼさない」からだと語り、文太たちのことを「いらない人間」だと言う。

 筆者も文太と同じ氷河期世代で年齢は2歳上だが、兆の台詞を聞いて、これはすでにおじさんおばさんとなった氷河期世代に向けて作られたドラマなのだと感じた。

 本作は超能力が登場するSFドラマだが、これまでの野木亜紀子作品と同じように社会の手触りを感じる。社会からいらない人間として扱われてきた氷河期世代の文太を主人公にしたことの意味がわかる結末になればいいなぁと願っている。

■放送情報
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:菅田将暉、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波、戸塚純貴、アンミカ、秋元才加、野添義弘、長野里美、富田望生、西村瑞樹(バイきんぐ)、大水洋介(ラバーガール)、小澤雄太、福井夏、ひょうろく、松井慎也、佳久創、佐藤大空、野間口徹、シルビア・グラブ、菊地凛子、小池栄子、市原隼人、井上順、坂東彌十郎、小林薫ほか
脚本:三谷幸喜
主題歌:YOASOBI「劇上」(Echoes / Sony Music Entertainment (Japan) Inc.)
音楽:得田真裕
プロデュース:金城綾香、野田悠介
制作プロデュース:古郡真也
演出:西浦正記
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/moshi_gaku/
公式X(旧Twitter):@moshi_gaku
公式Instagram:@moshi_gaku
公式TikTok:@moshi_gaku

『小さい頃は、神様がいて』
フジテレビ系にて、 毎週木曜22:00~22:54放送
出演:北村有起哉、小野花梨、石井杏奈、小瀧望、近藤華、阿川佐和子、草刈正雄、仲間由紀恵
脚本:岡田惠和
主題歌:松任谷由実
音楽:フジモトヨシタカ
演出:酒井麻衣
プロデュース:田淵麻子
制作プロデュース:熊谷理恵、渡邉美咲
制作協力:大映テレビ
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/chiikami2025/
公式X(旧Twitter)https://x.com/chiikami2025
公式Instagram:https://www.instagram.com/chiikami2025/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@chiikami2025

『ちょっとだけエスパー』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:大泉洋、宮﨑あおい、ディーン・フジオカ、宇野祥平、北村匠海、高畑淳子、岡田将生
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、山形亮介(テレビ朝日)、和田昂士(角川大映スタジオ)
音楽:髙見優、信澤宣明
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/chottodake_esper/
公式X(旧Twitter):https://x.com/chottodakeesper
公式Instagram:https://www.instagram.com/chottodake_esper/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@chottodake_esper

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