鈴木亮平&戸田恵梨香が日曜劇場『リブート』に起用された理由 黒岩勉が仕掛ける新境地

2026年1月期のTBS日曜劇場のタイトルは『リブート』。主演を務めるのは、同枠で確かな信頼を築き上げてきた鈴木亮平。そして今回は、主人公を支える“謎”の存在として、戸田恵梨香が出演する。

鈴木は劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』第3弾の発表で再び注目が集まるタイミングと重なるかたちでの主演となり、俳優としての勢いを改めて印象づけた。一方の戸田は、TBSドラマで多くの印象的な役を残してきた俳優だが、日曜劇場は意外にも初参戦。役柄にまとわりつく“真意の読めなさ”は、これまでのキャリアで培ってきた静かな存在感と相性が良く、並んだ瞬間の画がすでに物語を動かし始めているように見える。
本作は愛する妻を突然奪われ、無実の罪で追われることになった一人のパティシエが、家族を守るために“別人として生きる”決断をする物語。主人公は、裏社会ともつながる悪徳刑事の顔を手に入れることで、加害者側の世界へ踏み込みながら真相へ近づいていく。正義や使命のためではなく、ただ愛する人を取り戻すために自分の存在そのものを“更新”していく物語であり、日曜劇場の王道にある「家族」の要素を極限化させた設定だ。タイトルにある“リブート(再起動)”も、人生そのものを入れ替えるという選択と重なっている。

鈴木が日曜劇場に戻ってくるのは約2年ぶりとなるが、本作で演じるのは一人二役。『TOKYO MER』では人を救う英雄像を体現してきたが、今回の『リブート』で演じる早瀬陸と儀堂歩は、誰かを救いながらも同時に“自分自身”を裁かなければならない人物だ。善と悪を分ける線が曖昧になっていく中で、何を守り、何を捨て、どの顔で立ち続けるのか。鈴木がこれまで積み上げてきた「揺るぎない正義」の表現を土台にしつつ、その裏側に潜む揺らぎや葛藤までも同時に引き受けることになり、また新たに鈴木の表現領域を更新してくるのではないかと期待している。
そんな主人公と対峙するもう一つの存在として、戸田は味方にも、仕掛けにもなり得る幸後一香を演じる。戸田が演じる一香は、嘘にまみれた公認会計士と紹介されており、その立ち位置はあくまで曖昧なまま保たれている。戸田の演技は、感情を大きく発露するよりも、その場に在ることで作品の温度を変えることができる。視線の動きやわずかな表情の差に意味を宿すことができる俳優だからこそ、真実を曖昧にし続ける役どころと自然に重なっていく。安心感と不確かさが同時に漂う、この独特の空気はきっと作中でも存在感を残してくれそうだ。
そして何より2人が並ぶこと自体に、大きな安心感がある。作品の未知な部分が多い段階でも、このキャストなら最後まで信じて観られるだろうと確信できるのは、2人が物語の“土台”としてすでに立っているからだ。鈴木が中心を支え、戸田が揺らぎや余白を与える。その関係性のバランスが最初から完成していることで、まだ放送前にもかかわらず作品の輪郭がクリアに見えてくる。脚本を手掛ける黒岩勉が「この2人でなければ成立しない」と語ったのも象徴的で、役柄より先に“俳優が物語を成立させている”珍しいタイプのキャスティングと言えるだろう。
いまの日曜劇場にとって『リブート』は、原点に立ち返りながら新しい場所へ進もうとする一作になるのかもしれない。社会や組織のスケールではなく、一人の人間がどんな思いで選び、何を抱えて歩くのか。その感情の近さを、鈴木と戸田という“信頼できる2人”がどう描き出していくのか、それこそがこの作品の大きな見どころになることは間違いない。
■放送情報
日曜劇場『リブート』
TBS系にて、2026年1月スタート 毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:鈴木亮平、戸田恵梨香
脚本:黒岩勉
プロデュース:東仲恵吾
協力プロデュース:國府美和
演出:坪井敏雄、田中健太、元井桃
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/REBOOT_tbs/
公式X(旧Twitter):@reboot_tbs
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