『スター・ウォーズ』過去作との繋がりも 『マンダロリアン・アンド・グローグー』特報解説

映画『マンダロリアン』の特報映像を解説

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここでは最近のジャンル映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けしています。今回は、先日初映像が解禁になった『スター・ウォーズ』映画最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(2026年5月22日日米同時公開)の特報映像解説です。

3年ぶり、今度は映画だ!

 この映画のベースとなったドラマ『マンダロリアン』は『スター・ウォーズ』のスピンオフですが、もはや“スピンオフ”という言葉が適切かどうかもわかりません。というのも、昨今の『スター・ウォーズ』人気を盛り上げた立役者がこの『マンダロリアン』だと思うからです。いや、『スター・ウォーズ』だけではない。ディズニープラスにとっても『マンダロリアン』は重要な作品です。その証拠にディズニープラスの立ち上げと同時にシーズン1が配信。

 つまりディズニープラスにとっても打ち上げ花火となる重大な作品だったわけです。また、本シリーズの成功を受け様々な『スター・ウォーズ』の実写ドラマが作られるようになりました。『ボバ・フェット』『オビ=ワン・ケノービ』『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』『スター・ウォーズ:アソーカ』『スター・ウォーズ:アコライト』『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』といったドラマは新たな『スター・ウォーズ』ファンを開拓しています。2025年4月に日本で開催された「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン2025」でも海外のコミコンでも『マンダロリアン』絡みのコスプレーヤーはすごくたくさん見たし、またグッズにおいてはグローグーが大人気。こうした勢いを経てついに映画版マンダロリアンこと『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が作られるわけです。2023年のシーズン3以来、3年ぶりの『マンダロリアン』新作でもあります。

今までの『マンダロリアン』

 物語をざっと説明しておくと、時代設定は『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』から5年後、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(エピソード7)の25年前。悪の銀河帝国は倒されたがまだ帝国の残党たちはくすぶっています。新共和国の統治も完全ではなく銀河全体の秩序を守り切れていないという混乱の時代です。こうした中、賞金稼ぎとして宇宙を放浪するディン・ジャリンという男がいました。

 彼は高い戦闘スキルを持ち特殊な教義に従って生きるマンダロリアンの一人。したがってマンダロリアン野郎みたいな意味でマンドーと呼ばれています。このマンダロリアンというのは、惑星マンダロアやそのまわりの衛星にルーツを持つ武闘派集団のことです。彼らの特徴はベスカー鋼とよばれる金属で造ったヘルメットとアーマーを装着していること。このベスカー鋼はブラスター/重火器の攻撃もライトセーバーも刃もはねのけます。そして数あるマンダロリアンのグループの中でも、決して人前でそのヘルメットをとってはならない=素顔を見せてはならない、という教義の集団に彼は属しています(その一方、ヘルメットをとってもOKという一派もいます)。

 彼らの教義を表す有名な言葉は“我らの道”です。予告編でもキャッチコピー的に使われてますね。実は彼らの故郷マンダロアはかつて銀河帝国の粛清=大虐殺を受け壊滅状態となってしまいました。なのでマンダロリアンたちは銀河に散り傭兵やら賞金稼ぎをしているわけです。しかしいつかマンダロア星の復興を願っています。ある時ディン・ジャリンはふとしたことから、あのヨーダと同族の幼児ザ・チャイルド(後にグローグーという名であることがわかる)と出会います。そしてこの子を帝国軍の残党から守るための戦いに身を投じます。そして紆余曲折、波乱万丈の展開がありまして、ディン・ジャリンたちは帝国軍と戦いマンダロア星を取り戻します。そしてディン・ジャリンは、ジェダイではなくマンダロリアンになることを決めたグローグーを自分の子として迎え入れます。こうして銀河に極めてユニークな父子が誕生しました。ディン・ジャリンは新共和国と取引をし、表立って動けない彼らに代わって帝国軍と戦う仕事人となるのです。ここまでがシーズン3で描かれたことです。

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