『チェンソーマン』“チョロすぎる”デンジが帰ってきた 視聴者も惑わす魔性の女たちを分析

『チェンソーマン』の魔性の女たちを分析

 劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は、原作屈指の人気を誇るエピソード。激しいバトルシーンはもちろん、謎の少女・レゼとデンジのロマンスも本作の大きな見どころ。デンジはルフィ、ゴン、炭治郎など『週刊少年ジャンプ』を代表する人気作の主人公像とは異なるピュアさで、そこが逆に人間的で身近な共感を呼んでいる。テレビアニメシリーズでは、デンジはピュアがゆえに“チョロ”く、登場する女性陣に翻弄され、波乱を巻き起こしてきた。

 親が遺した借金を返すため、悪魔を狩って日銭を稼ぎながら、相棒の悪魔・ポチタと底辺の暮らしをしてきたデンジは、ゾンビの悪魔に操られたヤクザに騙され瀕死となるが、ポチタと契約することでチェンソーの力を手に入れゾンビどもを一掃、その功績で悪魔退治の組織・公安4課のマキマに拾われデビルハンターとして生きることに。次々と現れる凶悪な悪魔をチェンソーマンの力で討ち果たしていくが、それと同時に次々と美女が現れデンジを翻弄していく。

 そもそも学校に通った経験も同世代と過ごした時間もないことから、異性と付き合った経験もないデンジ。しかし10代の少年らしく(デンジは自称16歳)“性”に対しては興味津々で、少しでも好意をほのめかされると疑うことなくついていってしまう。そんなピュアさは彼の魅力の一端ではあるが、それがいつもピンチを招いてきたことは明らか。つまり、とてつもなく“チョロい”のだ。

マキマ

 マキマとは、飼い主と飼い犬のような関係から始まった。「返事はハイかワンだけ。言うことをきかない犬は安楽死」と犬扱いされても、「普通に暮らすなんて夢のまた夢」と人生を諦めていたデンジにとっては、初めて優しくされたことが嬉しく、伸びたうどんを食べさせてもらって「ワン!」と尻尾を振る。マキマもとんだ小悪魔で、「好きな男のタイプ」を聞かれると「デンジくんみたいな人」と答え、「仕事をしていくうちに、そういう関係になってそういう行為もできるんじゃね?」と、期待に胸を膨らませるデンジに「頑張って!」と言って煽る始末。

パワー

 デンジは、マキマにトキメキを覚える一方で、今度は血の魔人・パワーの胸に目がくらんだ。パワーはそんなデンジを、「さらわれたニャーコ(飼い猫)を悪魔から取り戻すために協力すれば胸を揉ませてやる」と騙し、コウモリの悪魔の生け贄にしようとするが、コウモリの悪魔にニャーコもろとも飲み込まれてしまう。しかしデンジは自分を騙したパワーに対して怒るどころか、チェンソーマンになってコウモリの悪魔を倒しパワーとニャーコを助ける。これはデンジ元来の優しさ。どんなに口が悪くても、自然に体が動いてしまう。これこそがヒーローとしての資質の表れだ。

 めでたくパワーから“3揉み”をゲットしたものの、デンジは想像との違いに違和感を覚え、マキマはそんなデンジの手を取り、恋人つなぎをしてあげたり指を嚙むなどしながら、「銃の悪魔を殺せたら、願いごとを何でも1つ叶えてあげる」と誘惑し、自分の思い通り動かすためにデンジのチョロさを利用しようとした。

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