宮﨑あおいの出演に三谷幸喜脚本作も 秋ドラマは“〇〇年ぶり”作品に傑作の予感

秋ドラマは“〇〇年ぶり”作品に傑作の予感

 2025年秋のテレビドラマシーズンがいよいよ本格的に始まる。10月の初週から月末にかけて、多彩なキャストと個性豊かな脚本家たちによる注目作が次々とスタートする予定であり、そのラインナップは過去数年の中でも特に目を引く顔ぶれだ。

 中でも注目したいのが、「〇〇年ぶり」が話題となっている3つの作品だ。

『ちょっとだけエスパー』10月21日放送開始

 まず宮﨑あおいは、10月21日火曜日スタートの『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)で、“13年ぶり”民放連続ドラマ出演。主演は大泉洋、脚本は野木亜紀子によるオリジナル作品だ。

 物語の核心は、ある日突然ちょっとだけ超能力を獲得する冴えない男の奮闘であり、設定自体は1月期のドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)を彷彿とさせるベーシックなSFコメディの領域に収まる。しかし、豪華キャストの共演、野木の緻密な脚本力、そして大泉洋が演じる複雑な心理描写が組み合わさることで、単なるポップなドラマにとどまらないと予想する。

 野木作品は、近年では映画『ラストマイル』、TBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』のように、島や社会全体を舞台に壮大なスケールで描くことが多かったが、本作ではあえてミニマムな設定で人物の心理や関係性を掘り下げる可能性も高い。中高年層に支持されているテレ朝ドラマとあって、これまで描かれてこなかった「ちょっとだけの能力」と日常の絶妙なズレをテーマにすることでこれまでの野木作品とは違う新鮮な内容となりそうだ。

『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』10月1日放送開始

 三谷幸喜もまた、“25年ぶり”の民放ゴールデンプライム帯連ドラ脚本として注目を集めている。

 10月1日スタートの『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)は、1984年の渋谷の劇場を舞台に若者たちの夢や恋を描く青春群像劇。主演は菅田将暉、共演に二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波という主演クラスがズラリと並ぶ豪華布陣であり、三谷の半自伝的要素を含む脚本が青春期の熱量と現代の観客への共感をどのように織り込むかが大きな見どころだろう。

 三谷はこれまでコメディとシリアスを自在に操ってきたが、民放のゴールデン・プライム帯で青春群像劇を正面から描くのは今回が久しぶり。演劇カルチャーの中心にいた自身の経験がベースとなっていそうなだけに、笑いと切なさが共存するストーリーとなるだろう。

『小さい頃は、神様がいて』10月9日放送開始

【脚本・岡田惠和 最新作!】10月9日スタート!木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』ティザー映像!!

 さらに仲間由紀恵が主演する岡田惠和脚本の最新作『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)も見逃せない。10月9日スタートで、仲間のフジテレビ系連続ドラマ出演は2020年1月期放送の『10の秘密』以来、“約5年ぶり”となる。共演は北村有起哉で、北村と仲間が共演するのは、13年放送のテレビ朝日開局55周年記念作品『ドラマSP 上意討ち 拝領妻始末』以来、“約12年ぶり”である。北村はドラマ『アンナチュラル』(TBS系)や映画『新聞記者』『逆火』などでも幅広い役柄を演じてきたが、地上波ゴールデン・プライム帯ドラマは今作が初主演。岡田は4月期に『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)でホームコメディを手掛けたばかりだが、今回も3家族が暮らすレトロマンションを舞台に、互いに適度な距離感を保つ日常から嵐の夜をきっかけに心の距離が縮まる様子が描かれるという。熟練の仲間と北村の共演は、年齢層を超えた視聴者への訴求力も高く、秋の夜長にぴったりの傑作となるだろう。

 この3作品は、俳優や脚本家が久しぶりに画面に登場するというだけではなく、長年培ってきた技量や演出力が満を持して注がれ、制作陣や視聴者の期待も自然と高まる。どんな傑作が生まれるのか楽しみにしたい。

■放送情報
『ちょっとだけエスパー』
テレビ朝日系にて、10月21日(火)スタート 毎週火曜21:00~21:54放送
出演:大泉洋、宮﨑あおい、ディーン・フジオカ
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭(TBSスパークル)、山内大典(共同テレビ)
エグゼクティブプロデューサー):三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、山形亮介(テレビ朝日)、和田昂士(角川大映スタジオ)
音楽:髙見優、信澤宣明
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/chottodake_esper/
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『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』
フジテレビ系にて、10月1日(水)スタート 毎週水曜22:00~22:54放送
※初回30分拡大(22:00~23:24放送)
出演:菅田将暉、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波、戸塚純貴、アンミカ、秋元才加、野添義弘、長野里美、富田望生、西村瑞樹(バイきんぐ)、大水洋介(ラバーガール)、小澤雄太、福井夏、ひょうろく、松井慎也、佳久創、佐藤大空、野間口徹、シルビア・グラブ、菊地凛子、市原隼人、井上順、坂東彌十郎、小林薫ほか
脚本:三谷幸喜
プロデュース:金城綾香、野田悠介
制作プロデュース:古郡真也
演出:西浦正記
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/moshi_gaku/
公式X(旧Twitter):@moshi_gaku
公式Instagram:@moshi_gaku
公式TikTok:@moshi_gaku

『小さい頃は、神様がいて』
フジテレビ系にて、10月9日(木)スタート 毎週木曜22:00~22:54放送
※初回15分拡大
出演者:北村有起哉、仲間由紀恵
脚本:岡田惠和
演出:酒井麻衣
プロデュース:田淵麻子
制作プロデュース:熊谷理恵、渡邉美咲
制作協力:大映テレビ
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/chiikami2025/
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