野木亜紀子が“SF”に挑む! 大泉洋とのタッグ作『ちょっとだけエスパー』に期待できる理由

10月よりテレビ朝日系で火曜ドラマ『ちょっとだけエスパー』が放送される。
本作は、会社をクビになったどん底サラリーマンの文太が“ちょっとだけエスパー”になって世界を救う、完全オリジナルのSFラブロマンス。
主人公の文太を大泉洋が演じ、脚本を『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)や映画『ラストマイル』などの野木亜紀子が手がける。
大泉洋がテレ朝連ドラ初主演 野木亜紀子脚本『ちょっとだけエスパー』10月より放送へ
野木亜紀子が脚本を手がけ、大泉洋が主演を務める連続ドラマ『ちょっとだけエスパー』が、10月よりテレビ朝日系火曜ドラマ枠で放送され…これまで野木に何度も取材をしているライターの佐藤結衣氏は、野木が挑む「SF」という新境地に対して期待感をあらわにする。
「2020年に野木さんにお話をお聞きしたときには、今後やってみたいジャンルとして『SF』だとお話されていたのが強く印象に残っていました。本作のリリースに寄せられたコメントでも、2021年に企画が立ち上がったというお話でしたので、そのあたりから練られていたのだと思うと、『ついに来たか!』という思いです。本作で主演を務める大泉さんとは花沢健吾さんの同名漫画を原作にしたゾンビ映画『アイアムアヒーロー』以来のタッグ。野木さんにとって新ジャンルである『SF』で、しかもオリジナル脚本であることからワクワクが止まりません。現実とは違う世界を描けるという点では自由度が高まる一方で“ちょっとだけエスパー”というのも野木さんらしいなとニヤリとしました。もし日常では考えられないような力を手に入れたとしても、私たちの目の前にあるのはいつもの小さな営み。SFを通して、今の社会に漂う“ちょっとどうにかならないかな”というところに焦点を当てていってくれるのではないか、と期待しています」
『MIU404』の裏テーマは“正義を語る”だった 脚本家・野木亜紀子が裏話とともに明かす制作秘話
ドラマ『MIU404』(TBS系)のBlu-ray&DVDが、12月25日に発売を迎えた。大人気ドラマ『アンナチュラル』(TBS…『アンナチュラル』(TBS系)や『MIU404』(TBS系)など、数々のヒット作を手がけてきた野木の脚本の魅力を、佐藤氏は以下のように分析する。
「野木さんの脚本の醍醐味は、声が小さい人たちをいないことにしない点にあると思います。 社会の大きな流れを描くだけではなく、その影で取り残される人や、時代の勢いのなかで抱える生きづらさや憤りをちゃんとすくい上げていく。だから“社会派”と呼ばれたりもしますし、今の時代だからこそのドラマを見せてくれる方だと思います。社会的に問題提起をするようなドラマもある一方で、日常の中でくすっと笑えるような会話劇も野木さんの得意分野だと思います。『アンナチュラル』でも会話のテンポ感が面白かったですし、『MIU404』でも伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)のやり取りが魅力的でした。日常の何気ないやり取りを楽しみつつ、『でも見逃してはいけないことがある』と気づかされる。そのバランスが素晴らしいんです。野木さんの作品は、社会や人々に対する優しさを描く一方で、厳しさも内包されています。そのメリハリがあるから、観た後の感情の幅が広いんです。『面白かった』と表面的に楽しむこともできますし、常々社会に対して何かを思っている人にも『そこを言ってほしかったんだ』ときちんと届く。視聴者の中での楽しみ方に深さや厚みが生まれるのが、野木さんの脚本の魅力だと思います。けれど全体に流れているのは優しさであり、人との共生の視点なんです」























