戸谷菊之介×楠木ともり、再びの共演で感じ合った刺激 「“これこれ!”みたいな気持ち」

戸谷菊之介×楠木ともりが感じ合った刺激

 「電ノコ悪魔、再来——」。

 アニメ『チェンソーマン』が帰ってくる。9月19日から公開される劇場版で描かれるのは、原作ファンに特に人気のエピソード「レゼ篇」。強力な悪魔たちとの戦闘は、TVシリーズに引き続き制作を手がけるMAPPAによってどのように描かれるのか。

 謎の少女・レゼとの関わりがメインエピソードである一方、主人公・デンジにとって相変わらず決定的な影響を与え続けている女性といえば、彼の上司にあたるマキマ。本作で2人はどのように関わり、「好きな人が二人できちまったよ」というデンジをマキマはどう“翻弄”してくのか。それぞれの声優を務める戸谷菊之介と楠木ともりが、役作りと収録の裏話を明かした。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

デンジとマキマのデートシーンについて

(左から)戸谷菊之介、楠木ともり

—— ほぼ2年ぶりの共演はいかがでしたか?

戸谷菊之介(以下、戸谷):物語がまた進んでいく楽しさを思い出して「これこれ!」みたいな気持ちで演じていました。レゼ役の上田麗奈さんとも初めて掛け合いができて楽しかったです。

楠木ともり(以下、楠木):本編以外だとイベントなどでちょこちょこご一緒していたので、あんまり久々って感じもしなかったんですが、掛け合いをしてみるとやっぱり戸谷くんが作品を引っ張ってまとめてくれるような演技をしてくれていたので、何の心配もなくというか、私も純粋に演技ができて嬉しいなという気持ちでした。

(左から)楠木ともり、戸谷菊之介、

—— お2人の掛け合いは「レゼ篇」でも序盤から登場します。マキマとの“デート”で舞い上がっているデンジが懐かしくもあり微笑ましいシーンですね。

戸谷: デンジは喜ぶ感情をもうマックス、最大限出そうと思ってやっていました。サムライソードとの戦い以降「自分には人の心がないんじゃないか」と思い悩んでいたので、冒頭でマキマから「なんだか浮かない顔だね?」と言われた時点ではその思いを根底に持ちつつ、でも「デートしない?」と誘われたときにはもうそのことを完全に忘れちゃう(笑)。それでも自分に対して「本当は人の心がないんじゃないかな」とちょっとずつ感じはじめていって、「俺に心ってあると思います?」とマキマに聞いてしまう。そういう気持ちの流れだったのかなと思って演じていました。

——その後マキマがデンジの胸に顔を当てて「……あったよ」と囁くシーンが続きます。ここはマキマの“悪い女”ぶりがよく表れているシーンで……。

戸谷&楠木:あはは!(笑)

楠木:“悪い”ですよねー。「あったよ」はすごく印象的にしたかったんですが、あざとくしすぎたくもなくて。デンジの心には残るけど「なんかサラッとしてたな」「一瞬だったな」みたいに思われるように演じていました。デートシーン自体を演じるにあたって音響監督の名倉さんとディスカッションして、「レゼは“届かなそうで届いちゃう”のが魅力で、マキマは“届きそうで届かない”のが魅力ですよね」という話で意気投合していました。ただ、デンジの気持ちを俯瞰的に見ているマキマ、という構図ではあるんですが、演じ手としては戸谷くんのリアクションもすごく大事だと思っていて。マキマはミステリアスに振る舞って、何かを大きく伝える演技をするわけではないので、視聴者の方が受け取るのは“デンジの気持ちとして見たマキマ”なのかなと。戸谷くんはマキマをみて素直に感じたことを演技として出してくれるので、私は何を投げてもいいなと思って、すごくのびのびと、楽しく演じさせていただきました。

戸谷: ミステリアスさはすごく感じました。楠木さんの演技がすごくて翻弄されることもあって。

楠木:おー、ありがとうございます。

戸谷: 特に距離が近いときのマキマさんは、なんだろう……ドキドキしますよね。

楠木:(笑)。

戸谷: 言葉選びが難しいな……。こう言ったらアレなんですが、なんかちょっとえっちな気がするんですよね。

楠木:(爆笑)。マキマがね。

戸谷:それって目に見えない領域というか、何を考えているのかわからないから、「知らない世界だ……」というのを楠木さんのセリフからは感じる気がします。

(左から)戸谷菊之介、楠木ともり

楠木:“腹の底が見えない”キャラを演じることは多いんですが、マキマに関しては、彼女が何を考えて喋ったかよりも“デンジや周りのキャラクターにどう聞こえたか”が大事なキャラクターなのかなと思っています。もちろんマキマの思惑もあるとは思うんですが、それを考えて演じすぎるとニュアンスが乗りすぎてしまって、明らかに悪い感じが出て、「なんかおかしいぞ」と思われるとドキドキできないかなと。あくまでデンジから見たら「かわいいな」とか「魅力的だな、エッチだな」みたいなニュアンスに聞こえることが今のところは正解かなと思っています。自分でマキマの気持ちを作って演じるというよりは、なるべく「デンジにとってこう聞こえていたら嬉しいな」という気持ちで演じているかもしれません。

戸谷: それってめちゃくちゃ難しいことだと思うんですよ。役者をやりながらそういう視点で考えるのって。

楠木: ずっと俯瞰していないといけないので、「今どんなニュアンスだったんだろう」とわからなくなるときもあります。でも戸谷くんのデンジのリアクションを聞くことで、自分がいま作った演技の場所がわかるというか、すり合わせができるので、掛け合いをさせていただけたのはすごく良かったなと思います。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる