チョン・チェヨンが役者として急成長! 『エスクワイア』ヒョミンと共に掴んだ新境地

「愛する人が苦しんでるのに見捨てるヤツは ただの薄情者だ」
「傷を癒そうとする依頼人がいたら 傷の内側を見ろ」
「生きる資格とは 私たちが誰かに残した痕跡のようなものだ」

愛に左右された経験と弁護士としての経験があるから、ソクフンが放つ言葉には心の奥底から湧き出ているような説得力がある。仕事を経て思ったことを呟くヒョミンに、投げかけられるソクフンの言葉は、彼らが手にするマグカップに注がれた飲み物のようにじんわりと温かく、ずっと胸にしまっておきたいと思わされるものだった。2人の関係は恋愛という枠に定義されることはなく、上司と部下、人生の先輩と後輩という関係以上に、良き理解者であって、そこには愛が芽生えていた。
ヒョミンが対峙したもう一つの愛は、家族愛だ。彼女には聴覚障害がある双子の姉がいて、その姉は幼い頃に同じ障害を持つ伯母に預けられた。ヒョミンは両親が姉を「諦めた」と思っており、大人になった今では、特に母親との関係は希薄なものになっていた。それでも同じ法に携わる職業に就いて、愛に触れていくうちに、母親の当時の感情を理解するようになっていく。家族だからといって全てを理解できているわけではない。時には犠牲が生まれ、時にはすれ違ってしまうが、それぞれに正義があり、相手を思う愛があるのだ。これはソクフンの人生の物語からも読み取ることができ、視聴者一人ひとりの人生にも当てはまるものだろう。

正直、最初はヒョミンのルーズさに不安感があったが、かっちりとしたソクフンの下で“弁護士”となり、周りの人間との関わりもさらに奥行きのあるものとなっていった。そして「愛で傷ついた人の力になりたい」という思いが多くの人を救った。
恋をすることだけではなく、その先に育まれる愛や、会社のリーダーとして社員を思う愛、親子が互いに思い合う愛、動物への愛、他人同士に芽生える愛、それらが複雑に絡み合った一言では表せない様々な愛。この記事でも何回も連呼しているが、そのくらいこのドラマは“愛”という言葉と描写に満ちていたということだ。サブキャラクターたちの物語もまだまだ物足りないところがあるため、ぜひ続編を期待したい。
■配信情報
『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』
Netflixにて独占配信中
出演:イ・ジヌク、チョン・チェヨン、イ・ハクジュ、チョン・ヘビン、キム・ウィソン、キム・ヨジンほか
制作:キム・ジェホン、パク・ミヒョン
(写真はJTBC公式サイトより)






















