チョン・チェヨンが役者として急成長! 『エスクワイア』ヒョミンと共に掴んだ新境地

チョン・チェヨンが役者として急成長!

 『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』(以下、『エスクワイア』)は、だめだめな新人弁護士が立派な弁護士になっていくという単純な物語ではない。法律家の両親の元に生まれた聡明な新人弁護士のヒョミンが、案件を通して関わる人々の“悩み”を通してその出来事の本質を理解し、愛を知っていく物語だ。温かい雰囲気に包まれたまま、ついに最終回を迎えた。

 そんなヒョミンとともに成長を遂げたのは、演じたチョン・チェヨン自身だと言える。彼女のことは、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101』から生まれたI.O.Iや、ガールズグループDIAのメンバーとして知っている人も多いことだろう。アイドルとしての活動を終えたチェヨンはイ・ビョンホンが立ち上げたBHエンターテインメントに移籍し、役者としての表現力をめきめきと高めている。

 弁護士役のセリフ量は膨大だ。法廷でのシーンはもちろん、同期たちと解決策を調べ尽くして、上司のソクフン(イ・ジヌク)に報告するときも多くの専門用語を使う。このドラマのメイキング映像では、法廷シーンの撮影を前に自分のセリフを呟いて練習する様子など、チェヨンの真剣な姿が映されていて、彼女の努力を目の当たりにすることができる。

 チェヨンはアイドル時代から役者としても活動していたが、特に筆者が目を奪われたのは、2シーズン製作されたドラマ『初恋は初めてなので』での姿だった。まるで少女漫画から出てきたような、イケメン2人に思いを寄せられるヒロインだが、家族を亡くした心の痛みも抱えている。可愛らしさがありつつも、親しみやすいキャラクターであった。

 キャラクターの生い立ちは異なるものの『ゴールデンスプーン』や『組み立て式家族〜僕らの恋の在処〜』、そして時代劇『恋慕』で演じた役柄も、気さくな愛らしさがある人物で、『初恋は初めてなので』に等しいものがあった。そんな経歴を振り返ってみると、やはり『エスクワイア』のヒョミンは今までの役柄とは一線を画すものであると感じている。今まで無邪気で親しみやすい性格を体現してきた彼女は、27歳になって一つ“深み”を獲得したのだ。

 ヒョミンは笑顔を振りまくタイプではなく、「なんでこういう結果になってしまうんだろう?」「むしろ、こうなんじゃないか?」と常に考えているため、眉間にしわを寄せた厳しい顔をしていることが多い。現状を把握して法律をパズルのピースのように当てはめ、ただ勝訴するための弁護はしない。ヒョミンの性格もあるだろうが、ソクフンを始めとするチームの影響も大きくあったのだろう。

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