少女時代 ユナ×イ・チェミンの急展開に釘づけ 『暴君のシェフ』が描く食とロマンスの普遍性

『暴君のシェフ』が描く食とロマンスの普遍性

 Netflixの新作韓国ドラマ『暴君のシェフ』が、第4話まで配信された。パリの三つ星レストランでヘッドシェフとして働くヨン・ジヨン(イム・ユナ)が、韓国へ帰国する機内でのトラブルで、500年前の朝鮮時代にタイムスリップしてしまう。そこは朝鮮史で暴君として悪名高いイ・ホン(イ・チェミン)が、王として権力を握っている世界だった……。

 シェフがタイムスリップした作品で記憶に新しいのが『哲仁王后~俺がクイーン!?~』だが、時代劇×タイムスリップものはなぜ人々の心をとらえるのだろうか? 今回はタイムスリップものの面白さと本作の今後の展開について考えてみたい。

タイムスリップものの面白さはちぐはぐな会話

 タイムスリップものの面白いところは、現代人と過去の人が交わすちぐはぐな会話だろう。今回でいえば、主人公のジヨンが王のホンと最初に出会い、やり取りをするシーンに爆笑した人も多いのではないだろうか。

 まさか時を越えて500年前にきてしまったと思っていないジヨンは「余は王だ!」と言うホンに対して、王の役を演じている俳優だと勘違いしてしまう。話が全くかみ合わない2人だが、ホンが何者かに襲われケガを負い、ジヨンが手当したことで共に行動する羽目になる。

 王だとは知らずにジヨンがホンに対して乱暴な言葉を使ったり、手を出したりするのが面白い。元気な女性を演じたら魅力を爆発させるイム・ユナの真骨頂だといえるだろう。一方でジヨンが連発するカタカナ語に戸惑うホンも笑わせてくれる。

 いつジヨンがタイムスリップした事実に気付くのだろう……と思っていたところ、もう1人のキーパーソンが現れた。絶対嗅覚を持つ女性・ギルグム(ユン・ソア)だ。彼女と出会ったことで、ジヨンは次第に自分がタイムスリップしたのではないかと疑い始める。

 最初はジヨンをコソ泥と勘違いしたギルグムだが、一緒に食事を作ることで心を通わせる。ジヨンが現代から持ってきたバターとコチュジャンで作ったビビンバの美味しさのとりこになったギルグムは、ジヨンを「アガシ(お嬢様)」と慕うようになる。ジヨンとギルグムの会話もちぐはぐで笑えるのだが、ホンとは違い2人の間には信頼感が生まれ始めていたので、スムーズなコミュニケーションができている。だからこそジヨンはギルグムとの会話を通じて、タイムスリップした事実を受け入れたといえるかもしれない。

 もはやタイムスリップもののお約束となっているちぐはぐな会話シーン。本作も第1話のほとんどを使ってたっぷり披露しているので、大いに笑ってほしい。

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