森川葵が『スティンガース』で成立させる“異色のヒロイン像” GP帯ドラマ初主演の必然

森川葵が成立させる“異色のヒロイン像”

 そんな彼女の強みは、漫画原作の作品で存分生かされてきた。ドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』(MBS/TBS)での緑川花役では、かわいらしくも暴力的で、特に主人公・キヨシ(中川大志)を前にしたときには素直になれないという複雑な魅力を見事に表現した。『賭ケグルイ』シリーズでは早乙女芽亜里を演じ、高飛車な性格を感じさせる表情と声色、負けず嫌いな一面が見えた時の人間らしさを、きっちりと実写での表現に落とし込んだ。漫画の要素をできる限りそのまま実写にした作品への適応力で右に出るものはいないだろう。

 求められるものに対して最適解を出してきた森川は、近年さらに役柄の幅を広げている。ドラマ『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系)でのヒロイン・彩役や『放課後カルテ』(日本テレビ系)の篠谷役は、森川がこれまで演じてきた役柄に比べれば、より人間らしい人物だった。ドラマ『大奥』(フジテレビ系)では、時代劇にも挑戦している。デビュー以来、誇張した表現を求められる役柄を数多く演じてきた彼女が、繊細な葛藤を持つリアルな役柄を任されるようになっている。俳優として大きな信頼を得ている証拠だろう。

 王道ヒロインとは異なる道を歩んできた彼女が掴んだ連続ドラマGP帯初主演の役柄も、王道とは言えない役柄だ。むしろ、だからこそ彼女が抜擢されたのだろう。きっと森川の芝居の魅力が存分に活かされた彼女のキャリアの1つの到達点であり、さらなる飛躍へとつながる役柄になるはずだ。

『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』の画像

スティンガース 警視庁おとり捜査検証室

日本ではまだ制度としての確立も曖昧な“おとり捜査”に真正面から挑む、警視庁内の異端チーム・通称“スティンガース”の活躍を描く、完全オリジナルの“コンゲーム(だまし合い)エンターテインメント”。

■放送情報
『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』
フジテレビ系にて、7月22日(火)スタート 毎週火曜21:00~22:09放送
※初回15分拡大
出演:森川葵、藤井流星、本郷奏多、志田彩良、井内悠陽、杉本哲太、玉山鉄二ほか
脚本:徳尾浩司
演出:松原浩、中島悟、伊藤彰記
編成プロデュース:水戸祐介
プロデュース:松原浩、大庭佑理、難波利昭
制作協力:イカロス
制作著作:フジテレビ
音楽:林ゆうき
主題歌:パイロット 「マジック」(ワーナーミュージック)
オープニング曲:harha「マスカレード」(SDR)
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/stingers/
公式X(旧Twitter):https://x.com/stingers_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/stingers_fujitv/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@stingers_fujitv

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる