『ちはやふる-めぐり-』は齋藤潤の“見せ場” 青春ものへの挑戦で開く新境地

『ちはやふる-めぐり-』は齋藤潤の見せ場

 期待に違わない熱い青春の入り口をみせてくれた『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)第1話。第1話のサブタイトルは、「めぐりあひて」で主人公・藍沢めぐる(當真あみ)がメインとなる回だったが、第2話のサブタイトルは「しらつゆに」と、白野風希(齋藤潤)の回になることが予想できる。

 2024年5月頃に『9ボーダー』(TBS系)への出演にあわせて齋藤の演技についてのコラムを書いたが(齋藤潤、『カラオケ行こ!』『正欲』で爪痕を残す 『9ボーダー』でさらに“発見”される予感)、齋藤はそのときからさらに実力をつけ、世間からの注目を集めている。2024年末には、第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞石原裕次郎新人賞や第48回日本アカデミー賞新人俳優賞など、さまざまな新人賞を総なめしたほどだ。

 映画『からかい上手の高木さん』では、原作には登場しないオリジナルキャラクター・町田涼を演じ、恋心の裏にある暴力性に苦しみ、憤る感情を丁寧に表現した。高木さん(永野芽郁)と西片(高橋文哉)のやりとりからは見えてこない恋愛のマイナス面を担う人物だった。また、『踊る大捜査線』シリーズ新作となった映画『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』では、室井(柳葉敏郎)に引き取られて共に暮らす森貴仁を演じた。警察を去った室井がどのように生きているのかそれを形作る人物として、映画の終わりには室井の意思を継ぐ可能性を感じさせてくれる人物として存在した。『室井慎次 敗れざる者』では、殺人事件の被害者遺族としての葛藤を持つ貴仁が、室井との暮らしによってどのように内面を成長させていったかも大切な見どころの一つだった。

 出世作となった映画『カラオケ行こ!』でもそうだったように、自分の望む方向にうまく進めないことに対して自分や周りにどのように感情をぶつけるのか、それをどのように解消させていくのかを表現したときの存在感は目を見張るものがある。憤りや葛藤し、悩み苦しむ役柄をもっと演じてほしいなんて、思ってしまう。

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