“九州出身女優”が朝ドラヒロインを独占 今田美桜、橋本環奈、髙石あかりらが放つ存在感

“九州出身女優”が朝ドラヒロインを独占

 今田も10代の頃より福岡で活動していたが、私たちが彼女の存在を認識する頃には、すでに活動拠点を東京へと移していた。話題作となった『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(2018年/TBS系)で主要キャラクターのひとりを好演。 あそこから『あんぱん』までの道筋は真っ直ぐにつながっていると思う。ここまで着実にステップアップを続けてきたのは誰もが知るとおりだ。

『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』©2024「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」製作委員会

 よほどのエンタメファンではないかぎり、ここ最近になって髙石の存在を知ったという方は少なくないのではないか。なにせ俳優活動がアクティブなものになってから、つまりはエンタメファンに知られる存在になってから、まだ5年ほどの若手俳優なのだ。けれども多くのファンを持つ映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで主演を務め、舞台『鬼滅の刃』で主人公の妹である竈門禰󠄀豆子役を演じていたりと、いくつもの作品で重要な役どころを担い続けてきた。これらに触れてきた方々からすれば、「朝ドラ」で主演を務めることも大いに納得できるものだったのではないだろうか。公開中の『夏の砂の上』ではハツラツとしたイメージを抑え、静かな妙演をオダギリジョーら演技巧者たちと繰り広げている。『ばけばけ』のスタートが待ちきれないというものだ。

 3期連続で“九州出身者”がヒロインを務める状況が続いていることから彼女たち3名に言及したが、2020年代でいえば、『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期)で安子を演じていた上白石萌音も鹿児島出身者だ。いまでは国民的な俳優のひとりだといえる存在である。

 生まれ育ったところがどこであれ、当人の才能や努力、そして縁や運やタイミングといったものによってスターは誕生するものだから、“九州出身者”と一括りにして何か結論めいたものを出すことはできない。けれども先述しているように、東京出身者と比べると、大成するハードルはぐんと上がるはず。九州から上京する場合は、海を越えなければならないのだ。才能、努力、縁、運、タイミングなどが活きる、その軸となるべき当人の強固な意志がなければまず実現しない。これは間違いないはずである。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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