マチュやハサウェイだけじゃない! 『ガンダム』シリーズの“親不孝”主人公列伝

『機動戦士Ζガンダム』カミーユ・ビダン
『機動戦士Ζガンダム』の主人公カミーユ・ビダンも、『ガンダム』シリーズを代表する“親不孝”キャラの1人だ。
第1話では、地球連邦軍のティターンズに所属するジェリド・メサ中尉に名前をからかわれたことで逆上し、殴りつけるという暴挙に出る。さらに自身を拘束して尋問を行ったMP(軍警)を逆恨みし、格納庫にあったガンダムMk-IIを強奪。周囲が静止するのも聞き入れず、私怨を晴らすため大立ち回りを演じるのだった。
なお、その様子を見たブライトは「アムロの再来だ」と呟くものの、スペース・コロニーの避難民たちを守るためにガンダムに乗り込んだアムロと比べると、思春期の少年らしい成り行き任せの行動に見える。
その後、カミーユは反地球連邦組織エゥーゴに参加するが、そのことによって地球連邦軍の技術士官だった両親はティターンズの人質とされてしまう。
第3話では母のヒルダ・ビダンがカプセルに捕らえられた姿で登場し、ジェリドの攻撃によって死亡。父のフランクリン・ビダンはエマ・シーン中尉の手引きで一度はティターンズから逃れるものの、再度寝返ることをもくろみ、第5話で撃墜されてしまう。こうしてカミーユは、両親を2人とも目の前で失うことになった。
父が若い女性との不倫に耽る一方、母は仕事に打ち込み子を顧みないという孤独な環境で育ったカミーユだが、絆を取り戻す機会を永遠に失うことに。“親不孝”の代償としては、あまりに高すぎる結果と言えるだろう。
『機動戦士ガンダム00』刹那・F・セイエイ
ある意味もっとも重い過去を背負っている主人公としては、『機動戦士ガンダム00』の刹那・F・セイエイが挙げられる。
刹那は親不孝という枠をも超えた壮絶な過去を抱えている。幼少期、紛争地帯で反政府ゲリラに洗脳され、実の両親を殺害してしまったのだ。
この出来事は、セカンドシーズンの第2話で明かされる。当時「ソラン・イブラヒム」と名乗っていた刹那は、「神のため」という歪んだ教義を信じ込まされていた。両親の祈りの声も届かず、幼い手で引き金を引いた彼の目には、なにも映っていなかった。
さらに刹那は、一度ならず二度目の“親殺し”を経験することに。ガンダムマイスターとなった刹那は、自身を洗脳して少年兵に仕立て上げたアリー・アル・サーシェスと、モビルスーツで何度も戦っていく。この2人の戦いは、刹那が疑似的な親のもとを卒業し、己の道を切り開くという通過儀礼として捉えられるかもしれない。
マチュ、ハサウェイ、カミーユ、刹那……。どの主人公も、親との確執や断絶を乗り越えた先で、自分自身の生きる道を見出している。『ガンダム』シリーズの中核をなすテーマと言えるものが、ここにはあるのではないだろうか。
今冬公開される『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』ではハサウェイのどんな生きざまが描かれるのか、あらためて注目したい。
■公開情報
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』
今冬全国公開
キャスト:小野賢章(ハサウェイ・ノア役)、上田麗奈(ギギ・アンダルシア役)、諏訪部順一(ケネス・スレッグ役)、斉藤壮馬(レーン・エイム役)
原作:富野由悠季、矢立肇
監督:村瀬修功
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:pablo uchida、恩田尚之、工原しげき
キャラクターデザイン原案:美樹本晴彦
メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦
メカニカルデザイン原案:森木靖泰、藤田一己
美術設定:岡田有章
美術監督:大久保錦一
色彩設計:すずきたかこ、久保木裕一
ディスプレイデザイン:佐山善則
CGディレクター:増尾隆幸
撮影監督:大山佳久
特技監督:上遠野学
編集:今井大介
音響演出:笠松広司
録音演出:木村絵理子
音楽:澤野弘之
企画・制作:サンライズ
製作:バンダイナムコフィルムワークス
配給:バンダイナムコフィルムワークス/松竹
©創通・サンライズ
公式ティザーサイト:https://www.gundam.info/feature/hathaway/
公式X(旧Twitter):https://x.com/gundam_hathaway






















