『DOPE』陣内鉄平は中村倫也の“全部乗せ”だった 過去を知りたくなる“人たらし力”を発揮

『DOPE』陣内鉄平は中村倫也の“全部乗せ”

 青く光る中村倫也の瞳の美しさに、思わず時が止まったかのように感じた。

 7月4日から放送が開始された『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)。第1話の時点でキャスト陣の魅力が輝いていたが、やはり中村の異才を放つ佇まいは本作の「異能力者」が活躍するというコンセプトとも強く共鳴する。

 中村が演じるのは、麻薬取締部特捜課の一員として、DOPE服用者・通称「ドーパー」と対峙する陣内鉄平役だ。陣内は“卓越した動体視力”という異能力を駆使して、ドーパーの凶悪な事件の渦中で才木優人(髙橋海斗)を守り活躍する。ドーパーは更生できると信じる才木に対し、陣内はためらいもなく殺すなど無慈悲な態度を貫くのだった。

 型破りで冷酷、それでいて優しさや愛情深い一面も見え隠れする陣内という人物は、中村の類まれない力によって、たった1話という短い時間の中で「人としての複雑な魅力」まで透けて見えるほどキャラクターが確立していた。クールで取り澄ましてばかりかと思えば、目の前でドーパーが亡くなったことを悔やむ才木におにぎりをあげようとしたり、妻の妊娠を心から喜び、おでこにキスをする。

 いくつかのシーンを観るにつけ、ドーパーを害虫呼ばわりし躊躇なく殺す姿からは想像もつかないほど、血の通った人間としての愛を持つ男なのだということがわかる。中村の表情や仕草、“含み”をふんだんに感じさせる些細な台詞回しが、視聴者を刻一刻と魅力の淵へと引きずり込んでいくのだ。

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