『あんぱん』朝田家3姉妹の恋愛模様の行く先は? 近づき始めたのぶと嵩の進展に期待

NHK連続テレビ小説『あんぱん』も第15週に入り、そろそろ折り返し。月刊誌『くじら』の刊行に向けて、準備を進めていたのぶ(今田美桜)は、高知新報の面接で嵩(北村匠海)と再会した。
のぶと嵩のモデルになっている小松暢とやなせたかしは、幼なじみではなく高知新報での出会いが初対面だ。ここからはより史実に基づいた内容で展開されるだろう。一方で、『あんぱん』ののぶと嵩には、これまで積み上げてきた関係がある。幼なじみとして互いの夢を尊重し、悲しいときには支え合ってきた一方で、戦時中は意見の相違からすれ違ってしまった。しかし、夫・次郎(中島歩)を亡くし、落ち込むのぶの背中を押したのは嵩だった。のぶは嵩に励まされたからこそ、高知新報の門を叩けたといえる。そして、面接結果が振るわなかった嵩を高知新報へ導いたのはのぶだった。

第1話で描かれたように、後に夫婦になることが約束されている2人。これまで嵩からのぶへの恋心と失恋はたっぷりと描写されてきたが、のぶが嵩をどう思っているのかは分からない。深呼吸をして試験用紙を吹き飛ばしてしまったり、久しぶりに走ったからと椅子から転げ落ちてしまったりと、幼い頃と変わらないどこか頼りない嵩の面倒を見ているという感覚がありそうだ。高知新報入社への後押しも幼なじみだからといえるだろう。
また、第72話では記者として取材はするも、のぶがカメラを使った写真撮影は避けている描写があった。速記は亡くなる間際の次郎が授けてくれた知識だが、カメラはのぶと次郎の夫婦生活と幸せだった頃の象徴となる品だ。のぶ自身がカメラを構え、レンズを覗くことで、カメラを構えて自分を見ていた次郎の姿を思い出してしまうのかもしれない。カメラを使うことを避けているという点を踏まえると、真の意味で次郎の死を乗り越えられていないのだろう。

『虎に翼』(2024年度前期)でも、主人公・寅子(伊藤沙莉)は、戦病死した夫・優三(仲野太賀)について、娘・優未(竹澤咲子/毎田暖乃/川床明日香)に話せたことで数年越しにやっと優三の死を受け入れることができた。そして、これが2番目の夫・航一(岡田将生)との関係の進展に繋がった。のぶと嵩の恋愛の発展には、のぶが次郎の死をどう受け入れるかがポイントになってくるかもしれない





















