『あんぱん』ついにアンパンマン“本人”登場 “粋なキャスティング”戸田恵子は希望の光に?

現在放送中のNHK連続テレビ小説『あんぱん』に戸田恵子が出演することが発表された。戸田は、ヒロイン・のぶ(今田美桜)が「高知新報」入社時代に出会う高知出身の代議士・薪鉄子(まき・てつこ)を演じる。
戸田恵子、ハチキン代議士役で『あんぱん』出演 「やなせ先生にも喜んでいただけるよう」
NHK連続テレビ小説『あんぱん』に戸田恵子が出演することが発表された。 朝ドラ第112作目となる本作は、『アンパンマン』を生…
視聴者から多くの期待の声があっただろうことは想像に難くない。戸田恵子といえば、声優や俳優としてさまざまな作品に出演しているが、何といってもアニメ『それいけ!アンパンマン』(以下、アンパンマン)でアンパンマンの声を務めていることで知られているからだ。

これまでもしょくぱんまんの声優・島本須美があんぱんの匂いにつられて朝田パンにやってくる女性客、ばいきんまんの声を務める中尾隆聖はのぶが先生として働く小学校の校長としてそれぞれ本作への出演を果たしているなか、主人公・アンパンマンの声優である戸田の参加は、多くのファンにとって待望となる登場。戸田自身も、生前は親交の深かったというやなせたかしとその妻・暢の夫婦をモデルにした『あんぱん』への出演には、万感の思いがあったはずだ。
戸田が演じる鉄子は、のぶ以上のハチキン (土佐ことばで、快活な女性)で「弱い立場の者に手を差し伸べる」という強い信念を持つ女性。勇ましさと優しさを兼ね備える鉄子の姿は、まさに彼女が声優を務めた「アンパンマン」にも通ずる部分があるが、直接のモチーフになっているのは名前から示唆されるように「鉄火のマキちゃん」だろう。実際、少し短気なところがありながらも、困っている人を助けずにはいられない正義の味方として知られるキャラクターは、ハチキンな鉄子の性格と瓜二つ。『アンパンマン』には、のぶのモデルにもなったと言われているドキンちゃんが、鉄火のマキちゃんに弟子入りするエピソードもあるので、まさに物語とリンクするピッタリの役柄と言える。
のぶが鉄子と出会うのは「高知新報」時代とのことなので、彼女たちの邂逅はもう少し後の話になりそうだ。しかし、戦争が終結して軍国主義の崩壊を目の当たりにするのぶにとって、鉄子は見失った夢と目標を取り戻すための新たな“鑑”となる存在になるのではないだろうか。戸田が朝ドラに出演するのは『なつぞら』(2019年度前期)以来6年ぶりとなるが、「アンパンマン」とも深く共鳴するこの役柄を演じる姿がすでに待ち遠しい。
実際に鉄子は、のぶの今後の人生に大きな影響を与えていくことになるとのこと。そして、そんな鉄子とのぶの関係性は、嵩(北村匠海)にとっての座間先生(山寺宏一)の姿とも重なる部分を感じずにはいられない。