『あんぱん』“八木”妻夫木聡はなぜ“嵩”北村匠海に目をかけるのか 胸中が徐々に明かされる

『あんぱん』八木が嵩に目をかける理由とは

 NHK連続テレビ小説『あんぱん』第11週「軍隊は大きらい、だけど」では、嵩(北村匠海)の小倉連隊への入隊から、中国・福建省の奥地にある駐屯地に到着するまでが描かれる。

 憂さ晴らしのため嵩たち初年兵に理不尽な暴力を振るう古兵の馬場(板橋駿谷)や甲田(萩原亮介)、中隊長という立場にありながらおおらかで優しい雰囲気を持っている島(横田栄司)といった面々の中で、ひとり異彩を放っているのが、上等兵の八木(妻夫木聡)だ。入隊年数がものを言う世界で、健太郎(高橋文哉)は「少なくとも4年兵」だと言うが、班長の神野(奥野瑛太)も“変わり者”の八木には頭が上がらない、謎の存在感を示している。

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板橋駿谷が、NHK連続テレビ小説『あんぱん』に第11週より登場している。板橋が演じるのは、小倉連隊で嵩(北村匠海)が所属する内務…

 『あさイチ』(NHK総合)の“朝ドラ受け”でも、この1週間、八木は何者なのかという話題で持ちきりだった印象だが、第55話では八木がなぜ入隊したばかりの嵩に軍人勅諭を必ず覚えるよう指導していたのかが明らかになる。それは、転属してきた嵩がリュックに持ち込んでいた井伏鱒二の詩集。八木は就寝前に読書をしているが、彼もまた井伏鱒二の詩が好きで、「あの時から同じにおいを感じた」と八木は嵩に明かす。ただ、それは戦友として当たり前のことだとも。

 金鵄勲章を与えられた人物、または特務機関から来ているといった噂もあるほどの八木の素性はいまだ明らかにはなっていないが、彼が嵩にとっての先導者であることは間違いない。キャストとして妻夫木聡が発表になった際の八木のキャラクター紹介にも、「戦後、嵩と思わぬ再会を果たし、朝田のぶ(今田美桜)と嵩の人生に大きな影響を与えるようになる」とあり、兵士としてだけなく、嵩の人生を導いていく存在ということ。

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NHK連続テレビ小説『あんぱん』も第11週に入り、柳井嵩(北村匠海)が小倉連隊へ配属となった。戦地へ向けて、厳しい訓練を受けてい…

 中国に出発する前夜、自分のような者が生き残るにはどうしたらいいのかと悩む嵩に、八木は「弱い者が戦場で生き残るには、ひきょう者になることだ。仲間がやられても仇を取ろうなんて思うな」と教える。それは祖国のために全身全霊で尽くそうとする、軍国主義に反する考え方。出征する嵩に「逃げ回ってもいいから。ひきょうだと思われてもいい!」と声をかけた登美子(松嶋菜々子)とも大きく通じている。

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